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「ごめん。俺も悪かった。」
「やれないなら、相談して協力すればいいんだよな。
1人で抱え込もうとしてた俺が間違えてたよ。」
返ってきた言葉はとても温かくて、
視界が滲んでいく。
ゆっくり顔を上げると、同じタイミングで顔を上げた閑也と目が合う。
『…ん、っよかったぁ。』
「え、ちょ、なんで泣いてんの？」
そりゃあ、焦るよね。
謝ったら突然泣き出すんだもん。
でもそれを気にしないくらい感情をむき出しにして泣いた。
手でひたすら涙を拭く私を見て、ティッシュを持ってきて優しく涙をふいてくれた。
別に私は女優でもないんだから、顔ぐちゃぐちゃになってもいいのに。
『っ本当に優しいね、閑也。』
「まぁ、Aの彼氏なんで。
好きな人に優しくしないでどうすんの。」
『……なんか、かっこいい。今の。』
そうか？なんて言いながらちょっとドヤ顔してくるから、思わず笑ってしまう。
「なんで笑ってんの。」
『閑也だってちょっと笑ってんじゃん。笑』
「だって、A見てたらさ、自然と笑顔になっちゃうんだよ。」
なにそれ、なんてふざけて返したけど、めっちゃ嬉しくてニヤニヤしてしまう。
良かった、閑也と居れて。
『訂正する！
同棲して良かった。
いい所も、悪い所もあったけど、ね。』
「うん。どっちもあってこそ、じゃない？」
そうだ、どっちもあってこそ閑也を知れた。
これからもきっと色んなことがあるんだろうけど、
同棲してるからこそ、2人で協力しながら乗り越えていけばいい。
そうだ、
閑也の作ってくれたご飯が冷めちゃうよ。
2人で席について、手を合わせて、
微笑みあった。
「『いただきます。』」
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作者名：菜緒 | 作成日時：2020年11月22日 15時
