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そっから一緒に普通に小説読んだり、そんなこんなで時計を見ると、もう寝なきゃいけない時間になっていた。
仰向けになろうとした時に、手首をキュって握られて、動きが止まる。
「A。」
『な、なに?』
男らしくて綺麗な海斗の手が、私の顔に触れて、親指が唇をなぞるようにゆっくり撫でる。
部屋に心臓の音だけがなっている。
私には時が止まったように思えて、思わず目を下に泳がせた。
「こっち見て。」
見透かされたように言われて、心臓がはねる。
もう一度海斗と目を合わせると、優しく微笑まれて、口付けをされた。
それは甘くて、温かくて、心臓が鳴り止まない。
「愛してるよ、A。」
耳元で囁かれた言葉に、思わず顔に熱が集中する。
そんなの、言ったことないじゃん……!
海斗を見れば、もう布団に潜り込んでて顔が見えない。
私も何だかよくわかんなくて布団に入るけど、天井を見ても心臓が鳴り止まなくて、寝れる気配など全くない。
『さっきの、小説の、ですか?』
「……そう、です。」
今、思い出した。
これ、小説の中で主人公と恋人がやっていたやつ。
『あの、寝れないんですけど。』
「俺も、だわ。」
『……どうする?』
この後は、海斗次第だよ?
天使に隠れた狼 Ryuya.S→←いつもじゃない、いつも Kaito.Ma
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作者名:菜緒 | 作成日時:2020年11月22日 15時