検索窓
今日:14 hit、昨日:10 hit、合計:111,324 hit

ページ21







「なんでそんな拗ねてんの。」


『……だってお風呂入ったのに、ハグしてくれなかったじゃん。』


「今ハグしてるよ?」






普通のテンションで言ってくるから、何だかイライラしてくる。






『ギターばっか見て、私のこと見なかった。

早く寝て欲しいなら言ってよ、私なんてどこでも寝れるんで。』





言ってることがおかしいことくらい分かってたけど、感情が抑えられなかった。


どうせ今だって仕方なくハグして……






「んふ、ギターに嫉妬してんの?」


『なっ、そんなこと……』


「ギターはものだし、Aは人だから嫉妬することじゃないと思うけど。」





なんて真顔で言うけど、笑いが堪えきれてなくて震えてる。

なんなら今ハグしてるから余計伝わってくる。






『……悪かったですね、ギターに嫉妬する彼女で。』


「可愛いじゃん、ギターに嫉妬する彼女とか。」


『復唱しないでよ。』


「だって可愛いから。」





ギュッと腕に力が入って、さっきより体が密着する。



こんな時でもドキドキしてるのは、やっぱり海斗が好きってこと。




……でも可愛い、の一言で丸め込まれてる感じが何か悔しい。




黙ってたら、首元に海斗の顔が近づいた。






「お風呂上がりのA、めっちゃいい匂いすんの。

なんで?」





な、なんで?

何もしてないから答えようがない。





『何もしてない、けど。』


「そうなの?

俺、お風呂上がりの匂いが1番好きな気がする。」






ほわほわしててなんか好き、って言うけど、それ理由になってないし。




…でもそんなこと言われたらお風呂のこと嫌いになれない。


むしろ好きになりそう。





海斗のことだからわざとじゃないと思うけど、どこかずるいなぁって毎回思ってる。


そういうとこが海斗の好きなとこなんだけど。







『じゃあ、明日はお風呂上がったら、すぐハグしてよ?』


「うん、分かった。

……あー、でもギターのこと…」


『やっぱり寝るし。』


「ごめん!冗談だから!笑」


『もう…意地悪しないでよ。』


「うん、もうしない。」





 

天使の君 Kaito.Mi→←嫌いなお風呂 Kaito.Ma



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (142 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
894人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:菜緒 | 作成日時:2020年11月22日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。