にわか、トリップしてから2年経ったってよ【文スト】

・人生万事塞翁が虎＿5匹 ページ6

〈主said〉

如何も、Aです。

今。俺は川に入ろうとしています。


え？いやいやいや、俺は別に自サツ癖はありませんよ？と云うかまだやりたい事ありますし。



まぁ理由を聞いてください。先刻まで、敦君(同い年っぽいからそう呼ぶ)とちょっと話してて。
ふと、川の方見たら…何が見えたと思います？そうです。川から脚がニョキっと生えてたんですよ。



そう、生えていた。




あんな川の流され方をしているのは太宰さんしか居ません。

逆さであんなにキープ出来るなら、アーティスティックスイミング出来るのでは??


そんな事をを考えている内に、どんどん川下に流されて行く太宰さん。




『嗚呼もう！本当にぃ！！』




俺は買い物袋を床に置き、羽織っていたカーディガンを脱いで飛び込んだ。






＿＿ハズだったんですけど。



敦「ちょっとッ…！待って下さいよぉォ！！」


敦君にシャツを掴まれ、飛び込む事が出来ませんでした。
勢いを着けて飛び込もうとしたので、シャツを掴まれ思わず『ｸﾞｪｯ』と蛙みたいな声が出てしまった…


『ッ！ちょ、敦君！？如何して止めたんですか！！』

敦「Aさん、あの人を助けようとしてるんですよね。」

『え…え、あ、うん。ちょっと知り合いから回収する様に頼まれてますから…。』

敦「じゃあ僕があの人を回収して行きます！先刻、麵麭(パン)を恵んでくれた御礼にｯ！」




それだけ言うと敦君は、綺麗に川へ飛び込んで行った。

凄いですね。俺の知り合いって、スイミング選手なんですか？…もう太宰さんに追い付きましたよ。



…あ、国木田さんに連絡しなきゃ



俺は買い物袋の中に入れてあった携帯を取り出して、国木田さんに繋げた。





『prrrr…prrrr…(国木田さんも、”虎探し”の為にこの付近を見回ってるハズ…)』






国木田さんには珍しく、4コール目で出た。







［小鳥遊、如何した。］

『あ、国木田さん！今何処に居ますか？』

［鶴見川の橋の上だが…む、今手を振ってるのは小鳥遊か？］

『はい！あの、若しかしたら俺の反対側の岸で太宰さんと、太宰さんを回収してくれた少年が居るかもしれないので…其方(そちら)に行ってもらっても良いですか？』

［嗚呼、分かった。］


プツッ







『ふぅ…あ、敦君達追わないと』







俺はそう呟いて、敦君達が流された(？)であろう場所へと走って行った。




勿論重い買い物袋を持って…です(泣

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