にわか、トリップしてから2年経ったってよ【文スト】

•敦君とヨコハマ散策＿5日目 ページ36

敦「お待たせ〜！」

『あ、敦君。お疲れ様〜』


暫くして…両手に大きく。そして美味しそうなクレープを持った敦君が、小走りしながら此方にやって来ると、「よいしょっと」と言い俺の隣に座った。

20分くらい立ちっぱなしだったからなぁ…疲れるのも当然でしょう。


『ごめんね敦君…ずっと立ちっぱなしで疲れたでしょ？』

敦「否、大丈夫だよ！立ちっぱは大丈夫なんだけど…」


「前後に居た人達がね…ちょっと気不味くて」と、目線を横に逸らしながら言った。


……うん。



『ウブだな(確信)』

敦「ウ！？そ、そんなんじゃないよ！と云うか、何でそんなに自信満々なの！？」

『ずっと此処で、並んでる敦君見てたけど…今確信したよ。』

敦「っ…もう！」



ありゃ、そっぽ向いちゃいましたね。少し揶揄い過ぎました…




『ごめん、ちょっと揶揄い過ぎた』

敦「一寸どころじゃ無いよ！……ほら、これ。クレープ食べよ？」



そう言い、イチゴとホイップが沢山盛られているクレープを差し出して来た。

クレープを差し出した事によって辺りに甘い匂いが漂う。

俺はそれを受け取り、一口頬張る。


『……美味しい』

敦「！…良かった、笑った。」

『？…”笑った”って如何云う事?』

敦「えっと…僕が此処に戻って来た時から、少し顔が強張ってる感じがしてね…。」
「それに真顔だったし…」と付け足す。


『え、俺そんな顔してた？』

敦「うん。…若しかして、僕が居ない間に何かあったの？」

『まぁあったちゃあ、あったかな…。』

もう一口、クレープを食べる。

『敦君が並んでる間、男の人が”女の子を見なかったか”って話しかけてね…でも俺、女の子なんて見てないから”知らない”って言ったんだよ。それでその男の人、立ち去ろうとしたから名前聞いたんだ。


…そしたら』

敦「そしたら？」

『自分の名前名乗った後に、俺の名前も言ったんだよ。A君、って。

俺、その人に名前言ってないんだ。』


さっきまであった事を話し終え、残っているクレープを食べる。


敦「え。…怖……でも、A君って2年前。うずまきに立て篭もった犯人を斃したでしょ？」
「きっとその人は、その時の新聞に載ってたA君の顔と名前を覚えてて言ったんじゃ無いかな？」と言った。


…確かに、一理ありますね。


『そう言う…事か。』

敦「恐らくだけどね…っと、ご馳走様でした！」



話してたから気が付きませんでしたが、敦君も食べ終わった様ですね。

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