雷電の翼竜 (ページ28)

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23話ページ28

ザワザワといつもよりも騒がしいエンジェルズシェア。
そこではある賭け事が始まっていた。

『さぁさぁ！今日は何派なのか！俺はスライム派に賭けるぜ！』
『じゃあ俺はトリックフラワー派！』
『あたしは〜ヒルチャール派！』

と口々に魔物の名前をあげる人たちを横目にバーカウンターでアップルサイダーを飲むふたり。

空「賭け事ですか？」
『ええ、とは言っても正解した人の会計を全額幹事が奢る。と言ったものですよ。』
パイ「おほーっ！！それって幾らでもいいのか！？」

とアップルサイダーから口を離して聞く。
もちろんだ！という声が聞こえ、オイラもやるー！と飛んでいく。

『おまえら一夜さんって知ってるか？知ってるよな』
パイ「おう！一夜はトモダチだからな！」

エッヘンと胸を張ると、お、有力候補だな！とパイモンの頭をぐりぐりと撫で、ルール説明を初める。

パイ「なるほど、まぁ、オイラたちは一夜と付き合い長いからな、楽勝だ！なぁ空」
空「ん〜どうだろう。あんまり自信ないかも……」
『はははっ！未だ正解者なしだからな、無理もない。よし、一夜さんは今日は何派って言うと思う？』

正解者ゼロ……と呟きながら考え、パイモンが導き出したのは、『岩王帝君派』だった。

『お、今までに無い線で来たな！』
パイ「お、ということは？」
『可能性は大いにあるぞ！この前は水獣派って言ってたからな！』

と紙に、パイモン予想『岩王帝君』と書いて旅人は？と旅人に視線を向ける。

空「何派……ん〜パイモン派！」
パイ「オイラ派？ん〜でもそれは無いんじゃ……」
一「いい夜だなマスター、いつもの。」

空が答え終わった時、一夜が店に入ってきた。
どうやら話は聞かれてなかったようで、何話してたんだ？と首を傾げる。

『ひ、一夜さん。』
一「なんだい？」
『一夜さんって何派でしたっけ？』

いざ、答え合わせ、と聞くと少し考え込んで周りを見渡した後、うんと頷いて言った。

一「今日は……パイモン派。」

一瞬しんと静まり返るも、次の瞬間には、ワアッと盛り上がった。

『聞けー！！正解者が出たぞー！！』
『ついに奢りの時が来たな、頑張れよ。』
『くそう！好きなだけ食いやがれ！』
パイ「おほーっ！！どんだけ食ってもいいんだろ！？やったな空〜っ！！」

と空を囲んで盛り上がる中、自分は関係ないと言うかのように、なんか盛り上がってるし追加で午後の死を。と酒の注文をした。