雷電の翼竜 (ページ23)

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18話ページ23

ディルック達とはぐれ(？)、他の蝶を追いかけるふたりは璃月港に来ていた。

パイ「あﾞ〜！！つーかーれーたーっ！！」
空「確かに少し疲れたね……でも見失うといけないから」

とパイモンを抱き込み、蝶を追いかける。
ふわふわふらふら飛んである人の小指にくっついた。

鍾「蝶？随分珍しい色だな。」
パイ「鍾離！」

こちらを振り返り久しぶりだな、と言う。
蝶は飛び立つ気配はなく、小指に着いたまま時折羽を動かしている。

鍾「……これは仙術の一種だな、人を導くものを生み出す代わりに感情が表に出てしまう副作用があるんだ。」

仙人でもあまり使うことはないな、と小指の蝶に目を向ける。

パイ「ってことは？その蝶は……」
鍾「あぁ一夜の仙術だな。随分としおらしい」

何かあったか？と考え込む鍾離

空「この前大喧嘩してたじゃん？」
鍾「あの程度喧嘩にも入らない。本当の喧嘩はもっと凄まじいからな。」

それこそ地形が変わる。と平然と言ってのける鍾離、そうなんだ……と驚いていると、まったく動く気配が無かった蝶が喧嘩の話題になった途端ふわりと浮かんでパイモンの後ろに隠れるようにくっついた。

鍾「……俺がまだ怒っていると思っているのか？」

そう鍾離が問いかけるとパタパタと羽を2回羽ばたかせる。
はぁ、と呆れたような溜息をつき、蝶を指ですくいあげ目線を合わせる。

鍾「もう怒ってなどいない、それよりどこにいるんだ？璃月の近くにもモンドの近くにも居ないだろう？」

そういった途端、蝶の形が崩れて手紙になる。

パイ「蝶が手紙になった！？」
鍾「これを依代に飛ばしていたのか」

と手紙を開き、黙々と内容を読むと紙を空へ手渡した。

そこには短い文が少しばかり書かれているだけだったが最初の文でどういう状況なのかはわかった。

先生へ、仙術をひさびさにつかいました。疲れた。
やっぱりまだ怒ってますか、ムキになってました、ごめんなさい。

よく分からない集団に連れていかれた、このお香臭い。もっと落ち着いた香りがいい

ディルックとガイア、あの子たちを絶対に連れてこないでくれ、アイツら力があるって理由であの子達も狙ってる。

空とパイモン、公子くんも連れてこないで、珍しい器を欲してる。

ということだった。

パイ「オイラたちもダメなのか？というか！ガイアたち止めないと！」
鍾「ならばこの鷹に文を頼むといい。俺は一夜のところに行く。」

と言って蝶を連れて璃月港を後にした。