バ イ ト 青 春 【赤】

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中村side





最近、海斗がAへの接し方が変わったな、と思っているのは虎美酒で、きっと俺だけじゃない。




だって、見ていて分かる程、海斗はアピールしているし、Aも気づいてないわけじゃないんだってことも見ていてわかる。





それを見ていて、勝手にモヤモヤしているのは、俺だけだ。





あの夜、お腹がすいて冷蔵庫を覗いても何も無かったから、もうコンビニでいいや、と思って近くのコンビニに向かうと、店のガラス越しに偶然Aを見かけた。



すぐに声をかけようと店に入って、一瞬出かけた声が引っ込んだのは、Aと一緒にいる海斗が見えたからだ。




中村「なんだよ…」




そこがまるで二人しかいない空間みたいに見えて、俺なんかが入っていってもいい雰囲気じゃなかった。




俺だって分かってんだ。
Aもまだハッキリ自分の中で断定できていないだけで、きっと海斗に特別な感情を抱いてんだろうなってことくらい。





分かってるよ。俺だってずっとAのこと見てたんだから。





それなのに、そのまま2人に声をかけて強引に誘ったのは完全に俺の勝手な嫉妬だ。





2人が家に来てからも、2人を見る度にさっきの光景を思い出して、モヤモヤしてどうになりそうだった。





だからバカのふりして酒を飲みまくって。
挙句の果てには寝たふりをした。





だから2人が出ていったことも知ってた。




それを海斗に言うとちょっと驚いた顔をして、それを誤魔化すように表情を直ぐに切り替えてアイスを買いに行っただけだと言われた。




目の前でご飯を頬張ってるこいつには全部お見通しなんだろうな。





こんな子供な俺のことなんて。





俺は本当に馬鹿だ。





行動を起こさずに、じっと見てただけの俺が、2人の邪魔なんてしてもいいわけなかっただろ。







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