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【貴方side】
私とローさんはお互い黙ったままで、少し気まずい。
そんな中、お風呂場から水の音が聴こえてきた。
しまった！
私は完全にローさんのペースに飲み込まれすぎてお湯を止めるのを忘れてしまっていた。
｢私、お湯止めて来ますね！｣
そう言って私は慌ててお風呂場に向かった。
ギュッと蛇口を捻ってお湯を止める。
お湯は少し溢れていたものの、湯加減は丁度いい。
｢…よし｣
ローさんに先に入ってもらおうと、私は声をかけにいった。
｢ローさん！お湯がたまったので、お先に入ってください。｣
そう声をかけると、ローさんは一度こちらに振り向き、
ロー｢いや…俺は後でいい。｣
と言ってまた顔を戻した。
いいのかな？
あー…でもローさん、雨にも弱いって言ってたな。
それじゃあお風呂とかも難しいのかな！？
そんなことを考えながら、
｢そうですか？じゃあ、お先にいただきますね！｣
と言って、部屋に用意されていたバスローブとタオルを持って脱衣所に向かった。
そういえば髪の毛…まだ濡れてるな。
髪も濡れて身体は冷え切っていたはずだったのに、
なんだか寒さは感じていなかった。
…多分これもローさんのせい。
私は先程着替えたパジャマを脱ぎ、お風呂場に行った。
そしてひと通りシャワーで洗い終わり、浴槽に浸かった。
｢あ〜、、気持ちいい、、、｣
さっきまで身体が濡れていたのもあったけれど、
宿屋についてからずっと緊張しっぱなしだった心と身体が、
お風呂に浸かってやっと落ち着いた気がする。
それにしても、ローさんの態度がいつもと違いすぎる。
私、何かした？
今日、これからどうなるのかな。
雨…いつまで続くんだろう。
もし、泊まることになったら………わ、私はソファで寝よう。
そんなことを考えているうちに段々暑くなってきたので、
私は浴室から出て、バスローブに着替えた。
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作者名：きぬ | 作成日時：2023年9月20日 22時
