トラ男さんとお泊まりすることになりました。【トラファルガー・ロー】 (ページ25)

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【ローside】

「……」

貴「……。」

俺たちが同じソファに腰掛けてから数分が経った。

さっきからずっと沈黙が続いている。

…少しやり過ぎたか？

俺は感情を表にさらけ出すことがあまり得意ではない。

A屋とは何回か会うことがあったが、いつも周りには麦わら屋やクルー達が居たし、色々な面倒事(黒足屋からの圧や周りからのいじり等)を避けるためにA屋に特別絡みに行くということはしなかった。

その為、A屋を含め、誰も俺がこいつに好意を寄せているなんて思ってもいないだろう。

麦わら屋たちとは、同じひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を狙うライバルだ。

それもあり、俺はA屋をどうこうしたいとは思っていなかった。

…だが、無理だった。

いざこうして島で出会い、成り行きとはいえ二人きりになると、どうも自分を抑えることが出来なくなってしまった。

俺の言動ひとつで、表情をコロコロと変えてしまうこいつに、触れたくて仕方がなかった。

こいつが何か反応する度に、余計に色んな顔をさせてみたくなってしまう。

クソ………情けねェ。

俺は今すぐにでもA屋に触れたい気持ちを必死に抑え、吹き荒れる窓の外を眺めた。

〜おまけ〜

数分前________

貴｢私ちょっと電伝虫借りてきます！｣

A屋はそう言って階段を駆け下りていった。

…俺も連絡しておくか。

俺はコートの中から子電伝虫を取り出し、ポーラータンク号へとダイヤルを回した。

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……ｶﾞﾁｬｯ

？『アイアイ！』

｢ベポか…俺だ。｣

ベ『キャプテン！大丈夫？島がすっごい荒れてるけど…』

電話の主はシロクマのベポだ。

俺はベポに事の経緯を説明した。

｢…という訳だから、今日は船へは帰れねェ。｣

説明し終わるなりベポは、

ベ『あれ？でもキャプテン、能力でここまで戻ってこられるんじゃ｢ｶﾞﾁｬｯ｣…あっ』

よし、これで連絡は完璧だ。

ベポの返事は聞いていないが、多分問題ない。

…A屋のところへいくか。

仲間への連絡を(強制的に)終わらせた俺は、A屋のいる1階のロビーへまた戻った。