虎と猫 (ページ7)

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羨望_ ページ7

side:juri

あー羨ましい。

今日、これしか思ってない。

いつも通り学校を終え、帰ろうとすると大我がぼんやりしてるから声を掛けた。

大我から飯に誘うなんて、よっぽど何かがあったんだろう。

…って、思ってたのにさあ。

校門で美人な女の子に声掛けられて、さらに不機嫌そうになる大我。

彼女持ちのくせに逆ナンですか。

あー羨ましい。その1。

…ところが様子が違うようで近づくと、どうやら幼馴染らしい。

雨の日に、幼馴染が傘持って来てくれるなんて。

あー、羨ましい！その2。

でもさ。
二人の感じを見てると別に仲も良くなさそうだし、まず付き合ってはなさそう。

そう思った時にはもう口から出ていた。

樹「じゃあ、連絡先交換しよ」

そのあと、なぜか大我が不機嫌そうになり飯の約束はナシになった。

突然暇になってしまったが、俺は珍しく直帰する事にした。

困ったように眉を下げて笑う彼女。

妹尾A。

交換した連絡先を見るたびに、彼女の顔が浮かぶ。

なにあれ。かわいい、よね。

大我と別れる直前に聞いたけど、大我の3個上、つまり俺の4個上。

樹「…羨ましい、」

駅までの道、我慢出来ずに通話ボタンを押す。

A「あっ、はい。妹尾です」

上擦る声に、無意識に胸が高鳴った事には、

まだ、見ないふりをしていた。