あの手の先には本編 (ページ9)

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ようこそ。-後編- ページ9

「…ああ…！」

「せんせい…！助けて！」

…目の前では、リンが大声をあげ、助けを求めている。

だが、私にはどうすることもできない…

怯えて、体が動かないのだ。

ライラも同じのようだ。

なんなんだ、この感覚は…

無力な自分が…

そのうちに、リンは謎の手に引き込まれてゆく。

その手は黄色のような…

謎の異形をしている手。

まるで、おたまじゃくしのような…

…あれ

なんだか、意識、が…

ああ…

このまま、私は…

そのままみんなを守られないのかな…

.

.

…あれ？

ここは…

「…先生、だいじょうぶ？」

「…あ、れ、ノヴァ？」

「そう、僕はノヴァ。先生、倒れてたけど大丈夫？」

…倒れてた…？

…あ…

私は、リンを、ライラを。

守れずに…

「…ッ」

「…先生、どうしたの？顔色、悪いよ。大丈夫？」

「あ、いや…なんでもないよ、それより、ここは…」

見たところ、さっきの『ほーぷほてる』と同じ敷地内のようだが…

「…ここ、は」

「…『ゆーふーど』、という施設です。」

「あ…ッ、チトセ…！」

「チトセ？チトセもいたの…？」

「…ええ。ほかにも、何人か…」

「…あれぇ、せんせーじゃん。どーしてここにいるの？」

「…先生じゃん。」

「…レイルにチュウヤまで…」

ここには、今、4人の園児がいる。

不安そうな様子はないが…

…内心、震えていたら…

…ここは、私がしっかりしないと…！

あの、リン、みたい、に…

…ああ…

ごめんなさい、リン。