ようこそ。ー後中編ー ページ7
あの後、私はメルを連れて、一階のロビーらしきところに降りてきた。
幸い、チアキ達は起きており、ロビーに集まっていた。
「あ、先生…」
そう声を発したのは、チアキだった。
「チアキ達、起きてたんだね。」
「う、うん…駄目、だった?」
心配そうに聞いてくるリン。そんな筈はない。
「そんなことないよ。」
「よかった…」
ほっとリンは胸を撫で下ろした。
「ところで…ここはどこ?」
「私にもわからないの。」
「そうなんですか…」
クレがしょんぼりとしてぼそっと呟く。
「か、帰れない……?」
それに続き、ライラが声をあげる。
「だ、大丈夫!きっと帰れるよ!」
「…そうなんですか、じゃあ、早く脱出しないとですね…」
そう言ったのは、マアヤ。流石だ、こんな場所でも冷静になっていられる。
「…う、うん!じゃあみんなで残りのみんなを探そうか!」
「…集団行動より、ペアとかでやった方が効率いいんじゃないですか…?」
そう意見を発したのは、またもやマアヤ。確かに一理ある。
「…そうだね!じゃあ、ペア組もうか!」
「…じゃあ、ボク、お姉ちゃんと組みたいです。」
「…はい、わたしも…」
双子の二人、クレとチアキが呟いた。
「…いいと思いますよ、双子ですし…」
「じゃあ、クレとチアキは決定で…あれ?」
「…?ど、どうかしたの?」
…よくよく考えていれば、チアキ、リン、クレ、ライラ、マアヤ、メル、そして私…7人で一人余らないか？
いや…私が単独行動すればいい話か…?
…だが、私がいないと不安になるかもしれない…
…どうしよう…
「どうしたんですか?もしかして、7人だとわれないと思ってるんですか？」
「な、なんでわかったの?」
何故的中したんだろうか…
「…それなら問題ありません！だって、先生がどこかのペアにつけばいいんじゃないですか?」
「なるほど…!そうするよ!」
マアヤは勘が鋭いし、頭もよく回る…優秀だなぁ…
「…とりあえず、ペア決めない？」
「あ、忘れてた…じゃあ、決めようか…」
チアキに背中を押され、ペアを作り始めた…
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作者名：怜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org
作成日時：2023年3月29日 11時
