ただ、あまい 【 るぅと 】

＃２９ ページ30

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頬の緩みを抑えながら 昨夜のことを思い出す。

大胆な彼が見えて 最高でした…。


「 ニヤニヤしてんのきもーい 」


『 だまれ、青猿 』


本日も隣の彼は絶好調

机の下でピコピコとゲームをし出す彼は
この間怒られたばかりなのに、学習していないようです。


「 あのさ、文化祭誰と回んの 」


『 1日目はるぅとくんと回る。でも、2日目シフトの時間どうしてもずらせないって1人で回らなきゃなんだよねぇ 』


彼氏と一緒に回る文化祭

夢にまで見たシチュエーション

2日目はどうしても彼のシフトの関係でぼっちですけど


「 僕もひとりだから一緒に回ってあげていいよ 」


『 なんでそんな上からなの 』


決して私の顔は見ないんだけど耳は真っ赤

こんな時までツンデレ発揮しないで欲しい…。


『 私なんかでいいの？他にも一緒に回りたがってる女子たくさんいると思うよ 』


なんたってこいつはモテるのだ。

狙ってる女子は多いはず。

他のもっと可愛い女の子とかにすればいいのに。


「 ……おまえがいい 」


こっちを見つめて ザワザワ騒がしい教室の中でも
ひときわ響いて聞こえた。

恥ずかしがり屋の彼のストレートな台詞に戸惑いが隠せなくなる。


「 なーんちゃって 」


べーっと舌を出して茶化してくるけど
それどころでは無い。

動揺が隠せない。


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