ただ、あまい 【 るぅと 】

＃１４ ページ15

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ぎゅーって私に抱きついて一向に離れようとしない。

ふたりと話そうとすると だめって口を手で覆われてしまう。

やりにくくてしょうがない。



「 うぇえ、やっぱわかんなーい！！ざどみぐぅぅーん！！ 」


「 へいへい。…ここがこうだろ？で、これを 」



家庭教師のさとみ先生

それなりに勉強のできるころんにもわからない所はあるらしい。

テキストを広げて項垂れてる。

気合を入れる為か前髪をピンで止めてるのが
なんかいつもと違って見えてなんか可愛い。


「 もう！！ずっところちゃん見てる。他の男見ちゃダメ 」

お腹に回された腕がさらに強く締め付けてきて
項に彼の唇が吸い付いた。

2人がいるっていうのに、すぐそういうことする。
困った彼氏だ。


「 ふたり見てないし、せんぱいの事 いじめ放題ですね 」


意味が分からないし、ふたりだって見てないんじゃなくて見てないフリをしてるって事を私は知ってる。

こういう時の彼って凄い妖艶な顔をする。

そんな顔を2人に見られたくないし、何より私が恥ずかしいし。


「 あむっ、…余計なこと考えてる人にはお仕置です 」

耳朶を甘噛みされる。
じんわりと耳が濡らされていく。

私はこんなにもドキドキしてるのに
当の本人は ふんふん〜 なんて鼻歌を歌うまでの余裕があるらしい。

悔しい。



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