ただ、あまい 【 るぅと 】

#１ ページ2

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放課後の教室にひとり

机に広げた学級日誌にシャーペンを滑らす


在り来りなラブストーリーの始まりのシーンです。


夕日が差し込む教室はどこかロマンチックです

イヤホンから流れる音楽に身体がノリ出してしまう




「 ………なに聞いてるんですか？ 」


スっと右耳に嵌ったイヤホンを取り彼の耳に嵌められる。


黄色のカーディガンの袖から覗く指は綺麗で
そっと触れてしまいたくなる。

彼の横顔は夕陽に照らされて
いつもよりカッコ良く見える。


「 あ、前ぼくが歌った曲だ 」


『 歌ってるの、カッコよかったから…、』



綺麗な顔の彼を前に目を見て言えなくて
そっと下を向く。


彼の指が私の頬を包み込む。


「 僕の方見て言ってくれないんですか？」


ぶわぁっと赤く染る私の顔を見て
嬉しそうに笑う。


早くって顔を近付けられるから
思わぶ身体が後ずさりする。


椅子から落ちそうになると
彼の腕が私の背中に回される。


「 言って…？ 」


更に距離感が近くなって彼の吐息が顔にかかる。


『 るぅとくん、カッコよかった…、』


「 てれるね 」




後輩彼氏は、だいぶ甘め。




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