ただ、あまい 【 るぅと 】

＃３３ ページ34

.


部屋に僕いるんだけど〜！？ って怒鳴る彼

顔を少し赤らめて拳をぎゅっと握ってる。


「 ころちゃんへの見せつけです 」


舌をべーっと出して 見せ付ける。

あまり見た事のない腹黒い顔に驚いて

もしや2人って仲悪い…？って胸がざわつく


「 僕のなんで、あんまりベタベタくっつかないで 」


「 あんまり束縛しすぎると嫌われるよ。そんなん言われても、文化祭2日目は僕が貰うから 」


目の前で繰り広げられる会話に ぽかーんっと口を開ける自分

2人が何を言ってんのかよく分かんないけど、これは喧嘩…？


『 ふ、ふたりとも…？喧嘩はやめてよ、 』


二人の間に入って 止めるはずが 両手を二人に掴まれる。

腕をぐいっと力強く掴まれているから
痕が残りそう。


「 ころちゃん腕離してください 」

「 やだ。…ねぇ、僕にもチャンスちょうだい 」


ぐいっと引き寄せられて抱きしめられる。

後ろから おい なんて可愛い彼からは似合わないドスの効いた声が聞こえるけど目の前のこいつには聞こえてないらしい。


こいつの心臓がドクドクいってるせいで
なんだかこっちまで胸が高鳴ってきた。



「 ここで言うつもり無かったし、なんもカッコイイ台詞考えてないけど、Aのことすき 」


『 は…？…ええっ！？すきって？誰が？どういう意味で？どういうこと！？ 』


頭の中はハテナばっかだし、顔は赤くなるし、なのに離してくれないしどうすればいいんだ。

意識して顔見れない、どうしよおお！！


「 だからぁ！！嶋村Aのことが好きだって言ってんだろ！！1回で分かれ、ばあーか！！ 」


やだ、私モテ期ってやつ〜？

二人の男から取り合われるって何その少女漫画みたいなの。

こんなの想像してなかったんですけどぉ！！


「 ころちゃんには渡さないから 」


そう言って強引に腕を引かれ教室を飛び出した。


これからまともに顔も見れない気がします。


.

ころんくんを恋敵役にしたかった；＿；

ゆるして；＿；


.

＃３４→←＃３２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す