* 226 話 * ページ27
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最後の2文字を言う前にせんせいが口を開いた。
重たくて、いつもより優しい声だった。
「 不器用でごめん。………回りくどい言い方しか出来なくてごめん 」
「 すきだよ 」
初めて言ってくれたね。
ずっと欲しかったの、ずっと求めてたの。
その一言がドロドロと甘ったるくて私を溶かした
頭の中でラブソングが駆け巡る。
純愛なんかじゃ無かったけど、わたしもせんせいも両思いだね。
あの日見たラブストーリーを思い出すよ。
「 ……もう、誰にも渡したくない 」
せんせいらしくない言葉なのにやけにその言葉が似合って見える。
身体がポカポカと暖かい、私の心の錆を綺麗に拭ってくれたのはやっぱりせんせいだった。
「 顔見せてよ 」
『 やだっ、ぶさいくだもんっ 』
涙でぐちゃぐちゃの顔はとても彼に見せられるものじゃない。
好きな人にはとびっきり可愛い私を見せたいのにこんなんじゃ嫌われちゃう。
「 んなわけねーじゃん。…顔見せてくんないとキス出来ないんだけど? 」
『 きっ、きすっ……?ここじゃ、やだっ 』
キス なんて破廉恥な響き恥ずかしい。
あんなに交したくせに今はむず痒くて恥ずかしくて頭がパンクしてしまいそう。
やばい、好きすぎておかしくなりそうだ。
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こもれび - これからも楽しみにしてます!おつかれの出ませんように… 長文失礼しました (2021年1月1日 9時) (レス) id: 7ea795325b (このIDを非表示/違反報告)
こもれび - こんにちは!とても面白くて一気読みしちゃいました!あの、烏滸がましいんですが、ところどころ誰と話しているのか分からなくなります…(私の読解力の問題だと思うのですが) 申し訳ないのですが、出来れば誰なのかセリフの前に名前を入れるなどして頂けると有難いです (2021年1月1日 9時) (レス) id: 7ea795325b (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 初コメ失礼します!白兎さんの小説最高です!やっと、うまくいったんですね!感激です( ;∀;)小説読んでこんなにうおおおおおってなったの初めてです!これからも応援してます!頑張ってください! (2020年12月16日 12時) (レス) id: 3b0a144783 (このIDを非表示/違反報告)
凛月(プロフ) - くっついたああああああああ、!!、!! (2020年12月10日 15時) (レス) id: 75f0fcdf4f (このIDを非表示/違反報告)
み - 白兎さんが書く小説がとっても好きで、続きを毎日楽しみに思って過ごしてます!笑 視点が変わってさらにワクワクしちゃってます!いつもお疲れ様です! (2020年12月4日 22時) (レス) id: 144a96a903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白兎 | 作成日時:2020年11月28日 18時