せんせい と ふたりきり 【 こ.ろ.ん 】

＊ 2 話 ＊ ページ3

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ひとりきり 取り残された教室


なんだか変な感覚に襲われる

誰もいないって心細い 、 そっとカバンからスマホを取り出しイヤホンを耳に填める。



気休めになんてなりやしない、居残りはきらいだ。

なつ の次に嫌いだ。




「 今日はちゃんと来たじゃん 」


『 イヤホン引っ張らないでくださいよ。…ところで、これはなんの居残りなんですか？ 』


「 これと言って、ない。ただの罰 」



せんせい も 暇なのだろう。

私のクラスの担任は 人気者だ


カッコイイと持て囃(もてはや)され、親しみやすいと皆 口を揃えて言う


通称 ころんせんせい



「 寝てるくせに成績はいいから困っちゃうよな 」


『 それほどでもないです 』


「 褒めてねぇよ 」



口も悪ければ先生としてどうなんだ という態度

そこが彼の良さであり強みでもある



「 で？彼氏とは上手くいってんの？ 」


『 せんせいって人の懐に入ってくるのうまいですよね。…ふつうです。良くも悪くもないです 』




「 ふーん。……満足してないんだ？ 」



何が足りない？ と聞かれれば分からない

とりあえず何かが不足している。


彼は優しい人だ

頭も良ければ顔もいい


文句のつけ所がない、完璧人間だ。



「 それはさ……、この前の僕のせい？ 」



鼓動が飛び跳ねる。


この為だ。




私を呼び出しのたは、その為なんでしょ


理由は 何でも良かったんだ。





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