せんせい と ふたりきり 【 こ.ろ.ん 】

＊ 12 話 ＊ ページ13

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群青色 に 小さな深紅の金魚


くるりと回れば裾がひらひらと揺れる


帯はお母さんにやってもらった。



いつもなら面倒くさいってアイロンを通しただけの髪も くるり と巻かれて 顔を振れば フリフリと揺れるポニーテール



ぜんぶ 可愛いって彼に言われたい乙女心

自分にそんな心あるなんて知らなかった。


恋愛すると人は変わるらしい。



『 階段のところ？今いくね 』


早く会いたい一心で心と身体が駆け足する。

下駄が カランコロン と音を鳴らして夏を感じる。


夏は嫌いだけど、今だけは好きになってやる。



「 あっ…！はは、走ってきたの？ 」


『 えへ、なんか早く会いたくなっちゃって 』



今日ぐらいは素直になりたい。

言いたいこと言っても、きっとバチ当たらないよね。



「 んっ、手。…よーし、どこから回る？ 」


『 んっとぉ…、わたあめ、食べたい 』


甘いのは苦手


でも、わたあめは雲みたいでもふもふしてて
可愛いからすき。



小さい頃は あそこにある雲だって、きっと甘くて美味しいって信じて疑わなかった。



「 わたあめとか、なんか可愛いな 」


『 えっ、そーかな 』



わたあめ が可愛い？


わたしが 可愛い？




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