推しくんと付き合っちゃった話 【 こ ろ ん 】

363推しくん ページ20

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ぽつぽつ と雨が小降りになる。


ジメッとした空気とべた付く身体に彼の指が触れて
ひんやり冷たさを感じる。



「 んふ、その顔。…擽ったいって目を細めるの、かわいい」



『 …る、ぅとくんは、なんで、そんな辛そうな顔してるのっ、 』



笑ってるんだけど、瞳の奥は全く笑ってなくて
時折辛そうに顔を歪めるんだ。



「 知りたい？僕が今どんな気持ちで、何考えてるか、知りたい？ 」


『 ……知りたくない 』



だよね と今度は唇にキスされた。

無駄に優しくて、蕩けてしまいそうだ。



「 あはは、目とろんってしてる。……気持ちいいって思っちゃった？ 」



『 おもってぇ、なぁい…、んんぅ 』



やっぱり手慣れてる。

優しく触れる所とか、適度に唇を離してくれる所とか女の子慣れしてるのに、頑なに違うと拒否する。


自分から求めに行ってしまいそうで、こわい。



「 ……バレなきゃ浮気じゃないって、誰かが言ってた気がする 」



柔らかくて、透き通った声が


今は悪魔の囁きにしか聞こえなかった。




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