助言 ページ20
「冨岡さん、一方的に文を送り付けるのは良くありませんよ」
任務に向かいながら、ことの成り行きを最初に出会った日から説明すると、胡蝶がため息混じりに答えた。
「冨岡さんは相手の状況が分かっているかもしれませんが、彼女には貴方の送る文が全てなんです。それも一般の方ですし、こちらの事情なんて分かる訳ないですよ。だからこんなに質問されているんです」
「そういうものか」
「大体、文と言うのは送られてきたら返事を書くのが礼儀ですから。…というか、冨岡さん彼女のこと毎日つけてたんですか？」
「そうだが」
答えると不愉快そうに顔を歪める。
「それ、気持ち悪くないですか」
「何故だ？」
「だって付きまといじゃないですか。そんなだから皆に嫌われるんですよ」
「俺は嫌われてない」
「…よく警察に付き出されませんでしたね」
クスクスと笑う胡蝶。
何が面白いのか。
そう言えば、A殿も何が面白いのか分からなかったが笑っていたな…
「彼女はその娘だ」
「はい？」
「父親が警察だ」
「えっ！？」
ぽーん、ぽーんと木々の枝から枝を飛び移っていた胡蝶が落ちそうになる。
が、すぐに立て直してまた木から木へと移動する。
「それ、不味くないですか？冨岡さん鬼と対峙した時、刀を見られてますよね？」
「気が付かなかったことにすると言っていた」
「まぁ、今のところ黙ってくれていますし。文の返事を送り付けてくるお嬢さんなので、大丈夫だとは思いますが」
言われて彼女の顔が頭に浮かぶ。
「心の広いお嬢さんでよかったですね」
にこっと笑う胡蝶は他人事だ。
あれは、心が広いというより………
「囚われてるの間違いだろう」
「どう言うことです？」
「父親と婚約者の思い描く生き方に支配されている」
言えば、胡蝶が目を細めた。
「女性は男性のように簡単に仕事に着けませんし、仕事がないと一人では生きていけませんから。そういった方は世の中に沢山いらっしゃるでしょうね…」
何を思っているのかは分からないが、心当たりがあるような口ぶりだ。
性質上、蝶屋敷には鬼に襲われた人が集まりやすい為か、そのまま屋敷の手伝いをしながら住み込む者も多い。
彼女なりに思うところがあるのだろう。
「まぁ、柱である冨岡さんが鬼を仕留め損なったのが悪いので、責任を持って頑張って下さい。あ、もし警察に捕まっても私たちのこと巻き込まないで下さいよ？」
最後の一言は本気か冗談か…
考えていると目的の村が見えた。
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月見(プロフ) - はぁぶ。＠３ちゃいさん» コメントありがとうございます！１日１話ゆっくりですが更新していきますので、完結までよろしくお願いします！！ (2020年10月26日 6時) (
レス) id: 9eeadbb9f3 (このIDを非表示/違反報告)
はぁぶ。＠３ちゃい - 普通に続きが気になる…作者さんのペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: 4dd2fcae8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2020年9月24日 19時
