女芸人の恋【川西賢志郎】2 (ページ3)

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み「ええ奴、つかまえたな～」

『うん、ほんまに…』

み「もう賢ちゃんのことは忘れろ」

『…』

み「いつ振り向いてくれるかもわからん、ましてや結婚するかもしれん男を待つよりAのことちゃんと好きで考えてくれる男と一緒になりや」

『…わかってる』

み「もう待つ必要ないねんから」

タバコ吸うてくる、そう言って楽屋を出て行ったみっちゃん

『はぁ…』

ため息を漏らしながら、椅子に腰掛ける

『…なにしてんねん、あたし…』

かねちのこと傷つけて、何がしたいんや？
あんなええ男、もう現れへんのに…
もっと大事にせなあかんな…

ほんまにもう忘れよ！！

川西さんなんか好きやない、好きやない、好きやない

あたしが好きなのはかねち、かねち、かねち

あたしは今日一日、呪文のように唱え続けた

・・・

東京の仕事1日目が終わり、かねちの家へと向かう

動画のお詫びと今日のお礼を兼ねて、コンビニで何か買っていこう～

そう思って、あたしは近くのコンビニに立ち寄った

かねち何が好きだろう～

かねちの好きそうな物を適当にカゴに入れお会計を済ませ、外へ出た

「A？」

後ろから突然呼び止められた

『川西さん…お疲れさまです』

川「おつかれ～」

はぁ…ダメだ…
カッコ良すぎる…
さっき忘れようと決めたのに、すぐに揺らいでしまう

川「ホテルこの辺？」

『あー…、かねちの家に…』

川「あ、そう、なんや(笑)」

明らかに気まずそうな顔をした川西さん

『あの、ほんまに今日はすいませんでした』

川「そんな、ええよ。ほんまに。
それに…、嬉しかったで？」

『え…』

川「酔うてても、自分のこと好きやって言われるとやっぱり嬉しいやん」

そう言って今度はほんまに嬉しそうに笑う

あかん…好きや…

『…////』

川「兼近の家、近いんか？送って行こうか？」

『いえ、すぐそこなので…、失礼します』

あたしは川西さんを直視出来ず、俯いたまま頭を下げて小走りに去った

はぁ…はぁ…

『なんやあれ…/////』

鳴り止まない鼓動が苦しい

『…勘違いしてまうやんか…』

体が熱く、火照る

なかなか鳴り止まない鼓動となかなか冷めない熱

「Aちゃん？」

『かねち…』

兼「遅いから心配したよ？大丈夫？
なんかしんどそうだけど」

『大丈夫、ちょっと走っただけ』

兼「そう？無理しないでよ」

『うん、大丈夫』

あたしはそう言うとフッーと深呼吸をした