クリスマスの過ごし方 (ページ9)

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さあ、マッチングページ9

クリスマスまでに彼氏が欲しい。

日頃から欲しいわけではなく、なぜか季節が巡り寒くなると、「人肌恋しい」とは本当にそのこと。
毎年思うのだが、実際に彼氏がいたことはない。

なんと悲しい。

気持ちさえあれば何でもできるはずが、こればかりは私ひとりではなし得ないことだからだ。
そして謎の期限付き。

これまた、不思議とクリスマスが過ぎると部屋の掃除を始めるもんで、彼氏なんて欲しがっていたことを簡単に忘れる。

多分来年も再来年も同じことを思うに違いない。

「マッチングしなかったね」

「わたしメッセージ送った人いたのにな」

「あら、クリスマス前だと欲しがる人多いと思ったのに」

「ほんとそれよ。クリスマスって特別なのに」

11月から友達と今回で3度目の街コンを終えた。

前回一度マッチングしたが、メッセージのやりとりをしていて…気づくと終わっていた。
呆気なく、ブロックされていた。

「アプリの方は？」

「アプリは、3人やり取りしてて、週末ひとり会う予定」

「ほお、良さそうなの？」

「顔の写真は出してないんだけど、なんか優しいんだよね」

「へえ、見せて」

「はい」

「Ian？ふーん、プロフィール特に書いてないじゃん。よくマッチングしたわ」

「え、めっちゃ長々書いている方が嫌なんだけど」

「それはわからんでもない。けど情報が生年月日と…あ、同い年なんだ。家族構成、身長…基本的なことしかないじゃん」

「この載せてる写真とか素敵じゃない？目とか」

何枚か載せられている写真のうち、スライドしていくと目だけの写真がある。

「目…？なんか怖くない？やばい奴っぽいけど？」

「話しているとそんな感じしないよ」

「まあ、Aもしっかりしてるから心配いらないかもだけど、やばそうな奴なら即帰宅」

「わかってるって～」

マッチングアプリよりかは、街コンの方がやりやすかった。

今やり取りしてる人会ったら、アプリはやめて街コンに移行するか。
去年はアプリだけで頑張ったんだけど、メッセージがだんだん面倒になっちゃうのよね。

もうクリスマスまで11日だ。

さすがに23日まで粘れないよな…そしたら実質Ianさんがラストチャンス？

うわ、まじか。

大学生の私からすると、冬休み前のいまはテスト前。そんなことはどうでもいいが、テストは受けなくてはならない。さすがに休めない…

どうにか、Ianさんがまともな人で、私のことをなんか気に入ってくれればな…と淡い期待をこめて待ち合わせ場所に歩を進める。