クリスマスの過ごし方 (ページ5)

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何度もジンくんのことを忘れて、どこかに行こうとした。

でもできなかった。

そんなことをしたところで、表情一つ変えずにどこからか書類を出し、これまでのことを口外しないこと。と弁護士でも呼んで、サインさせられるのではないかと思って

怖かった。

そんなことをしているうちに簡単に月日が流れ、私もジンくんも31歳。

幸いだったのは、仕事を辞めろと言われなかったこと。仕事をしていると、誰かに必要とされているみたいだ。

「別に待っていなくてもいいから」

「え」

「AにはAの人生があるからね。今まで、一緒にいてくれて本当に助かった。ありがとう」

素っ気なく、ただ感情もなく別れを意味するような言葉を発しただけ。

別に。だって。

本当にどうでもいいんだろうな…私のことなんて。

一番になれるとは思っていなければ、目指すつもりもなかったけど、
ジンくんの人生の優先順位にランクインしてみたかったなーなんて。

「わたし、待ってるよ。除隊するまで」

返事はなかった。

どっちでもいいんだと思う。

だって、いてもいなくてもいいのだから。

テレビのニュースで、残りのメンバーが入隊したことを知った。
彼は2日連続休暇を使ってお見送りに行ったらしい。

とても、彼らしい。

優先順位は彼がBTSになった時からほとんどがBTSに関することだから。

万が一にも、休暇を取って突然帰って来るのではないかと、考えない日はなかった。
ほとんど妄想に近い…

やっぱり、会いたいから。

ここ5年ほどで家に帰ってくる機会は増えたけど、家を空ける日や帰ってこない日が多かった。

それでも全く会えない日がこんなに続くのは初めてだ。
もしかしたら、もう二度と会えないのではないかと不安になる。

ただ、会いたいのだ。姿が見たかった。

そう思うのも、私だけ。