クリスマスの過ごし方 (ページ18)

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「えっ…？で、電話とかですか？オンライン飲み？」

「なんでオンラインなんだよ」

「だって…」

だって、なんて言葉絶対上司に言うべきじゃないのに、
そんなことも忘れてしまうくらいに一気に混乱した。

「だって？」

それを流すこともなく、わざと聞き返してきた係長は中々ずるい人だ。

「…え、っと」

「いや、ごめん」

違う、そうじゃなくて、

なんというか昨日から一気に距離が縮まって…

気になっている相手から誘われて…嬉しいんだけど…

「給湯室整理しているところに、偶然コーヒー淹れに行ったと思う？」

「え？」

「自分で資料探すのに付箋に書いたと思う？」

「…どういうことですか」

「賭けみたいなもんで、きのう今年最後にチャンスがきたと思ったんだ。
終いにはこんなところで狙わず、会えた。
ご褒美かなって」

「…それって」

「そう。毎日こっちまでAさんの明るい挨拶が聞こえてきっといい子なんだろうって気になっていた」

挨拶ってちゃんとできる奴少ないんだよ。付け加えられて係長はその情景を思い浮かべているかのように、穏やかな表情をしていた。

「駅で、キャリーバッグ持っている女の子助けていただろう？」

「あー…ありましたね…」

朝、通勤で人が行き交う中

エスカレーターのない最寄り駅。
恐らく、これから修学旅行っぽい制服を着ていた中学生くらいの女の子２人が困っていたのだ。

荷物がキャリーバッグの他にもあって、とても降りられなさそうで

これから楽しいことあるのに、ここで大変な目に遭ってほしくないなんて思って少し持って降りたんだ。

「他人にためらいなく、そういうことできるAさんに俺は恋した」

部屋から出たときには、寒くてたまらなかったのに…

暑いくらいに

顔に熱が集中する。

「ユンギさん、一緒に、年を越しましょう」

「いいのか」

「はい、年を越す頃には」

たぶん、私もあなたに夢中。