納まらなくて、すぐ始まり ページ15
クリスマスがあっという間に過ぎたとき、
今年も終わるんだなあっと思っていたけど
仕事納めの日までバタバタする職場に、これ本当に終わるのかな？
なんて思っていた。
転職して1年目の今年。
うちはペーパーレスだからね！と言われたのが夢だったのではないかと思うほどに、何処も彼処も書類で人が隠れている。
やはり紙なんだろうな…
他の会社はもう納めているため、電話や来客がないのが唯一の救いって感じ。
「Aちゃんはもう仕事納まった？」
「はい、そこ整理しておこうと思ったんですけど」
「あーそうだよね、」
自分の近くにある、キャビネット綺麗にしておこうと思ったのだが、さっき中の書類が誰かのところに行ってしまった。
「総務の方とか手伝ってきますね」
終わった人は最終日ってこともあり、軽く挨拶を済ましてさっさっと退勤する人もいた。
私はそうはいかない。
私というか、新人は。
私のできる仕事なんて、限られていてここまでくると、誰でもできる整理整頓くらいしか役に立つことはできない。
総務の方に行けば、お茶やコーヒーが置いてある給湯室を整理しておいてくれたらとても助かります。と低めにお願いされたので、とりあえずそこの整理をすることにした。
うちの会社は50人程度の職場で、オフィス内はまあまあ綺麗。
前職が昭和レトロなんてもんじゃないくらいのところだったから、最初は感動した。
制服でもなく、開放的？らしいオフィスも、いや〜な感じの人もいなくて良い職場だと思う。
「コーヒー飲みたいんだけど」
勝手に今年のことを振り返ってたら、ふいに話しかけられて肩が上がった。
「す、いません！」
「そんな驚かれると、俺も驚く」
目を細めて笑っていたのは、…営業のミン・ユンギ係長。
全く話したことない…！おはようございますと、お疲れ様ですくらいしか記憶にない。
「はは、すいません。コーヒーですか？いれますよ」
はっ、
前職はコーヒーとお茶の入れ方、運び方、置き方、そんなことから学んだから
ここきてから、お茶出しは各自やるからって言われていたんだった…！
媚び売ってるやつだと思われる？！
「いれてくれんの？」
「…あ、はい！」
「ありがとう」
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作者名：nunu | 作成日時：2023年12月24日 23時
