クリスマスの過ごし方 (ページ14)

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「A、あのね」

「うん」

肩を並べて歩く相手がジョングクだとは思いもしなかったけど
足を止めた、ジョングクに私も足を止める。

「友達…じゃなくて」

「？」

「彼女になってほしい」

「え？」

「あの時、本当はこう言いたかったんだけど、自信がなくて…」

言葉とは裏腹に、ジョングクの無垢な瞳は私の目を一心に見つめていた。

「 Aは俺のこと憶えていてくれて、嬉しくて…でも、やっと会えたのに突然そんなこと伝えて断れるのが、こわくて…

でも俺は…変わりたいのに、何も変わってないって気づいた」

ジョングクという人を想像しようとした。

どんな気持ちで高校生活を過ごし、卒業したのか。

直接的ではないのに、私のちょっとした言葉で進路を決めてしまうところも、
けど、止めた。

それはたぶん、野暮だから。

「俺はほんとうに、あの瞬間、

Aしかいないって思ったんだ」

「…これから、私のこと知って残念に思うこともあるかもしれないけど
それでもいい？」

自分が何かすごいものかのように思えてしまうのが私にとってどうしても、受け入れがたいことだった。

保険をかけるような言葉選びになってしまったけど、私だってジョングクに話しかけていた女の子たちと似ているところだってあるはずなのだから。

「心配しないで。それは俺にとって残念なことじゃないから」

何の迷いもなく、言いきるジョングクに心が揺れる。
強いじゃん…全然。

そんな真っすぐに想いを伝えられると、どんな人にも響くよ。

「俺はAのすべてを愛していくから」

抱き締められ、すっぽりジョングクの胸に収まった。

「私もそうする」

私の体に回っている腕が、より強くなった。

今までどんなこと思っていたのか、全てを知ることはできないけど、これからのジョングクなら知っていけると思った。

そして、理解して受け入れることが私ならできるのではないかと、ジョングクを見ているとそう思った。

ジョングク、かわいいなって思っていたけど、かわいいではぜったい収まらないな。