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「覚えてくれていたんだ！」
覚えてくれていた…？
んん？始めからわかっていたのか？
「Aと同じ大学に入学したんだよ」
「…っえ？」
「どこの学部かはわからなくて」
「まって、私と話したことないよね？」
「うん。でも俺はずっと話したいと思ってた」
「どうしてだろう？」
「もっと後でこの話はしようと思ってたんだけど…」
それは、今とは遠い春の高校2年生になったばかりの頃だった。
「B組のジョングク去年同じクラスだったんだけどね」
「うん」
「あいつまじで顔だけ。まあ運動もできるか、性格超悪い。ってか自分は人とは違いますって感じで全然しゃべんないし、表情乏しい」
「そうなんだ」
「Aちゃんもしかして、ジョングク推してた？いやごめ〜ん」
「ううん。
なにをもって性格悪いと判断したのかわからないけど、私からするとスヨンちゃんのが性格悪いって感じるよ」
「……」
そんなことあったか…？
まじで記憶にないな…私そんな強気で攻めたのか？
何かのドラマかアニメにでも影響されていたのかな…
「勝手に…庇ってくれたって思ったんだ 」
「…うん」
「高校では、ほぼ毎日色んな学年の女子が同じような言葉を使って話しかけてきて、俺は人見知りだし、うちの学校男女間はあまり仲良くしてる人いなかったから… 」
クールではなく、彼は人見知りだったのか…しかも、周りの目を気にしていたため、女子とはあまり話したくなかったと…
もしかすると、友達もあまりいなかったのかもしれない。
そこまではわからないけど、きっと男子からあまりよく思われていなかったのかも。
「Aは俺を想像しなかった、よく聞こえてきたんだ。性格悪そうとかそういうの」
彼はたぶん繊細で優しい人なんだと思う。
「Aの言葉を聞いた時に俺のことをちゃんと見てくれるって思ったんだ」
全然知らなかった。
そんな会話をした記憶もないし、
聞かれていたことも、私の言葉を聞いて救われていた人がいたことも。
「友達になってほしい」
「もちろん。よろしく」
きっとマッチングアプリで検索した際に私は顔写真も載せていたからわかったのだろう。
「ばいばい〜」
「またね」
ジョングクと仲良くなれるとは思ってなかった。
私と友達になるために同じ大学に入ったのも驚いたな…
なにはともあれ、本来の目的である彼氏にはたどり着けはしなかったが、いい出会いではあった。
今年も諦めるか。
さ、そろそろ勉強しよう。
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作者名：nunu | 作成日時：2023年12月24日 23時
