幼馴染って結局、恋人になるもんやん？ ページ1
「キャッ」
凍っていた路面に気づかず思い切り足を取られ、尻もちをついた。
「大丈夫ですか…！」
すぐ後ろを歩いていたのか、男性に声をかけられると共に手を差し伸べられる。
「って、お前か」
「ジミン」
心配の色は消え、とりあえず手出したからと言いたげに起こしてもらい
「キャッなんて声出るんだ」
「うるさ、聞いてんのきも」
「口悪〜」
ヘラヘラして、軽い〜薄っぺらの人間ことパク・ジミン
一応幼なじみ。
「後ろ姿でお前ってわかんなかったんだけど」
「あー？そんなん知るか」
「はー？褒めてんだよ」
「褒めてる？どこが？」
「部屋でしばらく洗っていないであろう、スウェットの上下に髪全部あげているお前とは思えなかったっていってんの」
「洗ってるわ」
高校卒業して以来、大学は違う学校に通い、就活生である私たちはまるで会う機会がなくなった。
かなりの久しぶりの再会だ。
「転んだ人に大丈夫？って声かけるのやめた方がいいよ」
「なんで？」
「転んだ方からすると、それは消したい事実なんだよ。いちいち心配されるまでもない、見て見ぬふり」
「わ〜ゴミ発言。お前おじいちゃんとかが転んでもそうするわけ？」
「お年寄りは別だろ、文脈考えろや」
「は？」
どちらかの親か友人がいなければ、会話は基本ケンカ腰。
小学生頃のジミンは可愛かったのにな〜「Aちゃーん雪だるまつくろー」ドアを開けて〜ってね。
いつからか、熟年夫婦かのように「お前」と呼ばれ、私を馬鹿にしてくるのだ。
本当鬱陶しい。
「髪染めたんだ」
「そう。今染めてきたの」
就活が無事終了し、髪を明るく染めてきたのだ。黒髪の時もそういえばこいつに会ったな…
芋だの、中学生だの、地味だの…なんだの…笑われた。
「明日は？予定あんの？」
「明日？あーイヴか」
「お前があるわけないか」
「まじで失礼だな。あるけど？」
「へえなにすんの？面接練習？」
「違うわ。内定もらったところじゃないとこで、面接一緒だった人といい感じなの。その人とデート」
「…まじで？お前が？」
「ふーんジミン彼女いないんだ〜ぼっちおつ」
ちょうど家の前に到着。
いい尺でした。
「おい」
勢いよくフードを引っ張られ、また尻もちを付かせようとしているのかと本気で思ったが
ジミンに引っ張られただけだった。
と言っても、後ろから抱きしめられているみたいだけどね。
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作者名：nunu | 作成日時：2023年12月24日 23時
