40 ページ40
Taehyung Side
Aは俺のことが好きじゃない。
好きじゃないのに、
住むことを了承してくれた。
みんながAを放したくないのと、同じく
俺もAとはこれからも一緒にいたいと思っている。
Aはいつもすぐ、背を向けてしまう。
あと、一歩。
っていうときに、何かしら理由をつけて、本当にそうなのかもしれないけど、
どこかへ行ってしまう。
そうやって、Aは俺たちの前から本当にどこかへ行ってしまうのではないかと最近考えてしまう。
「おかえり〜」
「ただいまあ」
「…A酔ってる？」
「んーん、ちょっと、飲んだだけ〜」
「へなへなしてるよ」
「へなへなってなにー？」
Aの部屋は最低限の物しか置かれていない気がする。
Aの好きな、アニメのグッズやファンからもらったであろう可愛らしい雑貨。そういうのも飾られているのに、そう感じるのはどうしてだろう。
女の子らしい格好をしないのは俺たちの前だけと思っていたけど、
Aのクローゼットには、個性が感じられなかった。
そういうところに、俺はどうもAの人間らしさを感じられなかったのかもしれない。
「テヒョナ〜お風呂入ってくる」
「だめだよ、明日にしなよ」
「えーなんかね、匂いがついているの、臭くない？」
「そんなことないよ。明日にしよう」
「やだ、やだ。変な男に引っ付かれたからほんとに嫌なの」
「え？」
「みんなといる時はないのにね、ひとりだとあるんだよ」
「引っ付かれたってなに？」
「内緒」
人差し指を俺の唇の前に置いた。
「ふふ」とふにゃふにゃしながら、初めて、Aにたいして心が揺さぶられた。
「じゃあ、顔洗って着替えて寝るよ。テヒョンはもう寝な〜」
「まって、」
そんなつもりはなかったのに、
思っていたよりも強く引っ張ってしまった。Aは酔ってるのも相まって、簡単に体勢が崩れる。
「わ、」
「……」
ふたりでソファに沈むと、なぜか天井を見つめたまま、何も言わないA
「やっぱり臭いでしょ？」
「んーん。臭くないよ。でもそういうことなら、シャワー入ってきて。ドアの前にいるから」
「そこまでしなくていーよ。あまり酔ってないし」
「そういうの関係なく、俺がしたいから。鬱陶しい？」
「今はそうしてくれると嬉しい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nunu(プロフ) - ちゃこさん» いえいえ！こちらこそ全然更新できておりませんでしたので…嬉しいです！私もお気に入りのお話しです* (5月6日 15時) (
レス) id: f67a3b5bed (このIDを非表示/違反報告)
ちゃこ(プロフ) - お返事いただいてたことに気付かず…！遅くなりました😭🙏好きなエピソードはアメリカから帰ってきていっぱい食べて寝ちゃった主人公の話でしょうか🥹どのエピソードも好きです……！！ (5月3日 0時) (レス) id: 2c270db09e (このIDを非表示/違反報告)
nunu(プロフ) - ちゃこさん» 本当ですか！嬉しい限りです…お気に入りのエピソードあったりしますか？☺ (3月31日 12時) (レス) id: f67a3b5bed (このIDを非表示/違反報告)
ちゃこ(プロフ) - 久々に1から読み直してしまいました🥹🩷 (3月27日 0時) (レス) @page50 id: 2c270db09e (このIDを非表示/違反報告)
nunu(プロフ) - ちゃこさん» ありがとうございます＊頑張ります！ (1月26日 21時) (レス) id: f67a3b5bed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nunu | 作成日時：2023年12月4日 12時
