6ー2…ふしょう ページ27
『かんぱーい！』
全員の声と共に一斉にグラスを合わせあう。
「うわ、これ美味っ」
「こっちの料理も最高」
美味い、美味いと言いながら食べる裕翔と大ちゃんに、料理を作った光は満更でもない様子。
光は裕翔が来るならって腕を振るってくれたんだよね。
本当に箸が止まらないくらい美味い。
「喉詰まらせんなよー」
光が口いっぱいに食べる俺らを見て言うと、言った側から喉を詰まらせる大ちゃん(笑)
「だから言ったのに〜」
苦しそうに胸元を叩く大ちゃんに、隣に座っている裕翔も背中を軽く叩く。
向かいに座っていた俺は空になっていたコップにお茶を注いで差し出した。
「大丈夫？」
お茶を飲む大ちゃんに、裕翔が心配そうに聞くと、
「はぁ〜、死ぬかと思った」
コップを置いた大ちゃんが、そんなことを言うもんだから呆れて笑ってしまう。
裕翔と光も「びっくりしたわー」「言った瞬間これだもん」と口々に言っては一様に呆れ顔。
その後もワイワイ喋りながらどんどん食べ進めて、あっという間に料理も減っていった。
「あ〜、もう食べられない！」
「けっこう食べたなー」
ほとんどの料理を平らげた俺らは、満足感でいっぱいだ。
「あったかいお茶淹れてくるわ」
と光が席を立って、キッチンにお湯を沸かしに行った。
「おー、ありがと」
そう言ってからしばらく経った頃、
“ガシャーン”
何かが落ちたような大きな音がした。
驚いて音のした方を見ると、手を痛そうに抑える光がいた。
俺らは３人ともキッチンに急いだ。
そこには、取っ手が片方だけ外れたやかんが転がっていて、コンロ周りも水浸し。ポタポタと床にも水が垂れていた。
その水からは湯気がたっている。
光の左手は、右手の甲を庇うように覆っている。
やけどだ。
そう思った瞬間、咄嗟に光の右腕を掴んでシンクまで引っ張り、水道水で右手を冷やした。
ここまでは、ほんの数秒の出来事。
「大丈夫！？光くん」
と裕翔が驚いた顔で言って、流水で冷やしている手を覗きこむ。
俺はキッチンの入口で慌てている大ちゃんになるべく落ち着いた声で指示を出す。
「大ちゃん、タオル持ってきてくれる？」
その声に「わかった」と言って急いで取りに行った大ちゃん。
その間、裕翔が他に怪我をしていないか確認していた。
「光くん、他に痛いところとかない？」
その問いかけに、ずっと黙ったままだった光が口を開く。
「ん…だいじょぶ。ない」
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TT(プロフ) - ♪尾曲がりニャンコ♪さん» ご意見ありがとうございます。応援、励みになります♪ (2017年3月4日 10時) (
レス) id: a5409a49a2 (このIDを非表示/違反報告)
♪尾曲がりニャンコ♪(プロフ) - 作者さんが分かりやすく書いてくれてるので、今のままで大丈夫だと思います！更新ファイトです！ (2017年3月3日 11時) (レス) id: 79d67a7ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TT | 作成日時：2017年2月25日 0時
