6ー1…じゅんび ページ26
「ねー、あの皿どこしまったっけ」
「あれ、ここに出してたソースどこいった?」
バタバタと慌ただしく動く俺と大ちゃん。
あぁー、忙しい。
「落ち着けって。皿はそこの棚の一番上。ソースはまだ使わないから冷蔵庫にしまった」
そんな俺らとは対称的に、テキパキと料理をしながら冷静な声で言う光。
そんな事言ったって、もう来ちゃうじゃん。
慌てずにはいられない。
今日は、この間大ちゃんの健診にクリニックを貸してくれた彼へのお礼と親睦も兼ねて、家に招いて皆で食事しようってことになった。
外で食べてもよかったけど、家でパーティーみたいにしても楽しいかなって。
うちはテンション上がると皆騒いじゃうからね笑
というわけで、その準備していると、インターホンの音が鳴った。
“ピーンポーン”
手の空いていない光と大ちゃんに代わって「はーい」と玄関へ小走りで行く。
玄関のドアを開けると、そこにはスラリとした長身にニコニコと爽やかな笑顔を浮かべる、まさに好青年と呼ぶにはぴったりな人物の姿が。
「やっほー」
「裕翔。いらっしゃ〜い」
挨拶もそこそこに、上がってと家の中へ上がってもらう。
裕翔がうちに来たのは初めてで、「おじゃましまーす」と家に上がる裕翔を見て何だか嬉しくなる。
リビングまで案内すると、キッチンに立っていた光と料理を並べていた大ちゃんが裕翔の元へ集まった。
「裕翔ー、久しぶり!って言ってもこの間会ったばっかりだけど。そん時はありがとね!」
「久しぶり笑。全然いいよー、そんなの」
さっきの冷静さはどこにいったってぐらいテンションの上がっている光に、裕翔も笑って返す。
そんな2人を見て楽しそうに笑う大ちゃんに、裕翔も気づいた様子。
「あ、大ちゃん!今日は笑顔だね。よかった〜」
「ははは…あの時はごめんなさい。俺いっぱい、いっぱいで…」
苦笑いで言う大ちゃんに、「大丈夫。気にしてないよ」と笑って言う裕翔。
そんな裕翔に大ちゃんもほっとしたみたいで、楽しそうに裕翔と話している。
よかった…
正直大ちゃんが裕翔のこと受け入れられるか、心配だった。基本医者だと分かると距離置いちゃう子だから。
「何、にやにやしてんだよ笑」
光にそう言われて、無意識に感情が顔に出ていたことに気づく。
「え?仲良く喋ってんなぁって思っただけ」
「なんだそりゃ」
呆れたように笑われる。
「それより、皆席ついて〜。ご飯たべるよー」
俺の声に、はーいと各々椅子に座った。
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TT(プロフ) - ♪尾曲がりニャンコ♪さん» ご意見ありがとうございます。応援、励みになります♪ (2017年3月4日 10時) (レス) id: a5409a49a2 (このIDを非表示/違反報告)
♪尾曲がりニャンコ♪(プロフ) - 作者さんが分かりやすく書いてくれてるので、今のままで大丈夫だと思います!更新ファイトです! (2017年3月3日 11時) (レス) id: 79d67a7ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:TT | 作成日時:2017年2月25日 0時