36 ページ36
.
それから順位発表が進んでいって、60位までの全員の名前が呼ばれた。
これで正式に放出と生存が決まったわけで、
『俺の分まで頑張れよ。』
『お互い場所は違くても頑張ろう。』
『もっと一緒に練習したかった。』
そんな声がスタジオ中に飛び交っている。
「ヒョピヤ。」
クォンヒョプ「ヒョン…落ちちゃった。」
そう言って抱きついてくるのはSorry Sorry1班で私たちと一緒に練習してたヒョプ。
クォンヒョプ「僕どうしたらいいのかな…。」
「諦めたら終わりだからこれからまたいっぱい練習して、パクジフンなんか追い抜いちゃえ、ね?」
クォンヒョプ「…うん、ありがと。笑」
「ヒョピなら絶対もっと輝けるよ。」
そう言うとヒョプの顔に少し笑顔が戻って、この子なら大丈夫だと思えた。
.
誰かと話してる時は平気だけど、1人になると急に襲われるこの感覚。
それに耐えきれずに、スタジオから出てきてしまった。
幸い廊下には誰もいなくて、しゃがみこんで顔をうずめる。
頭に浮かんでくるのは、出会った頃の希望に満ちたみんなの顔と、
今日のみんなの辛そうな泣きそうな表情。
私が嘘をついてこの番組に出たせいで、放出になってしまった人がいる。
私はここにいるべき人間じゃない。
だけど、もっと上に行きたい、デビューしたい、と思ってしまう自分もいる。
そんなジレンマに押しつぶされそうになって、気づいたら涙が出てきた。
ほかに泣きたい人なんかたくさんいるのに、なんで泣いてるんだろう…。
ばかみたい…。
そんなことを考えてると、頭の上に何かが乗っかる感覚がして、不意に上を見る。
「ジョンヒョニ…ヒョン。」
視界に入ってきたヒョンの顔に、それだけなのに気持ちが軽くなる感じがした。
ジョンヒョン「大丈夫だから。お前はここにいていいんだよ。」
「ヒョン…。」
1番欲しかった言葉をくれて、さらに涙が溢れた。
「ヒョンって、いつも泣いてるときに来てくれるね。」
ジョンヒョン「まぁ、いつもお前のこと見てるからな。」
「…そっか。」
この時はこの言葉の意味を特に気に留めたりはしなかった。
425人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ファニ(プロフ) - パク・ジフンくんだった^^ かわいいです。 (2018年3月30日 22時) (レス) id: 787a0420f1 (このIDを非表示/違反報告)
ファニ(プロフ) - 誰だろう! 気になる。 (2018年3月29日 20時) (レス) id: 787a0420f1 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - ラミソさん» うれしいです! (2018年3月17日 21時) (レス) id: 48cd6fbb6d (このIDを非表示/違反報告)
ラミソ(プロフ) - りんりんさん» 読んでいただきありがとうございます!今はライバル?のような関係ですが、このあとちゃんと仲良くなる予定です。リクエストありがとうございます! (2018年3月17日 0時) (レス) id: ce02ce0bcf (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - ラミソさん» 更新される度に読んでます。リクエストなんですが、主人公とジフンを仲良くさせて欲しいです。 (2018年3月15日 14時) (レス) id: 48cd6fbb6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ラミソ | 作成日時:2018年3月7日 14時