【遊戯王VRAINS】空白アルビレオ【藤木遊作】

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｢……今日のお前は危なっかしすぎる｣

｢じゃあ、ずっと手。繋いでてよ｣

｢…今だけに決まってるだろ｣

反対方向を向けど、耳の赤さが隠せてない遊作にAは笑う。周りから見れば普通のカップルに見えるのだろうか、すれ違う人の中で似たような境遇の男女をよく見かける。休日だし、似たような人達は多くて、Aが、こういうのは初めてだなぁと照れ笑った。薄い長袖の袖をきゅっ、と握ると、遊作が立ち止まり、その視線の先にはカードショップがあって。Aは止まった遊作の腕を引っ張りそこに入った。

｢おい、｣

｢ちょっとくらい大丈夫だよ。草薙さんが今日いっぱいは持つって。私のわがまま聞いてくれない？｣

｢……はぁ、草薙さんが怒らない程度だぞ｣

ありがとう、と微笑む彼女に遊作がバツが悪そうに視線を変える。最近はいろんなカードが増えてきてるなぁ、とAがケースを見て目を輝かせると少しだけ笑みが溢れた。人気決闘者達が使っているトリックスターや剛鬼のカードはここでも高値で取引されているらしく、可愛くない値段にAはだいぶ引いた。

｢値が……｣

｢人気のデュエリストが使えばそれだけ品は高くなる、当然のことだな｣

｢性能もいいし、中継とか見てる分使い方がわかりやすいからね｣

手を繋いだままガラスケースを見つめるふたりに、優しそうなおじいさん店主が声をかける。Aは店の雰囲気からいい人そうだなぁ、と感想をごちった。

｢ふぇふぇ…デートかい？最近の若いのはいいねぇ……｣

｢えへへ、彼が珍しく外に連れ出してくれたんですよ｣

｢……おい｣

｢おやおや…。それは良かったじゃないか。二人ともここに来るってことはデュエリストのカップルかい…？｣

｢彼はデュエル好きみたいで、私はやるようなやらないような…？見る方が好きです｣

｢そうかいそうかい、最近のLINK VRAINS界は凄いねぇ…｣


おじいさんがところで、と話を切り上げるとAが首を傾げる。遊作は複雑な気持ちなのか、あまり喋らずそっぽを向いていて。その様子を尻目に、おじいさんが笑って一言。

｢お嬢ちゃんは誰のファンなんだい…？｣

その言葉に、Aは笑って、今話題の彼の名前を呼ぶ。隣の遊作が、ぴくりと肩を動かし、もう行くぞと手を引けば、彼女は店主のおじいさんに手を振った。


　




　


　


　


　


　


　


　
｢勿論、私はPlay makerです！｣

そう言ったAの笑顔が遊作の頭から離れない。

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