【遊戯王VRAINS】空白アルビレオ【藤木遊作】

舞台裏の支援者 ページ30

｢じゃあ、美味しかったらまた寄るわ！｣

草薙がいつものように店で商売を進めていると、美しい女の人が店へと足を運んでくれた。Aはコーヒーをカップに入れて、ながら作業で袋に出来立てのホットドッグとコーヒーを詰め、それを渡す。遊作はそのキッチンカーの前でいつものようにホットドッグを食べていて、あまり関心がないようだ。二人は過ぎ去った女の人がいた場所を見つめて呟く。

｢あんな子がLINK VRAINSにねぇ、人は見かけによらないな｣

｢綺麗な人だったね〜…、眼福眼福！｣

｢そういうのって女でも思うんだな｣

｢当然。翔一さん、もしかして今の人に惚れちゃった？｣

｢はは、まさか｣

Aが草薙の脇腹をつつき茶化すと、彼も笑ってそれを流す。何だ、とつまらなさそうに話を切り上げたAに、草薙が大きな背伸びと欠伸をすると、どうやらホットドッグを食べ終えたらしい遊作がキッチンカーのキッチンテーブルへと近づいてきた。

｢寝不足か？｣

｢まぁな。忙しいんだよ…、毎晩ネットの巡回で。色々アップされてるPlay makerの記録を消して回ってるのさ｣

｢翔一さんマメだね〜｣

｢そういうのは地道にやって置かないとな｣

遊作が呆気に取られた顔でそうだったのか、と呟けば、Aも彼と同じで草薙の手伝いをすることを決める。店を経営しながら、夜な夜な徹夜で作業をしている草薙一人に、全てを任せてしまっていたことに彼女が罪悪感を抱く。それに気づいた草薙は隣にいるAの頭を撫でた。

｢ありがとな｣

｢……翔一さんも遊作も一人で抱え込みすぎなのよ｣

｢Aだってそうだろ？お前こそ抱え込むなよ｣

まるで本当の兄のようだ。頭を撫でて微笑む草薙にAが複雑そうな顔を示すと、更に笑顔になった。

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