終焉へのカウントダウン ページ35
廻る 廻る 廻る
運命が軋んだ音を立てて廻り出す。
踊る 踊る 踊る
何も知らず、手のひらの上で華麗に大胆に。足は止まらず、朽ちても尚踊り続ける。
無垢なる少女は運命の中。動き出すのは、世界の破滅か、将又少女の夢か。
とある御伽噺が指し示す、
『其、ハノイの塔の完了とともに、世界は終焉を迎える』
閑話休題
「っ…!」
背に電流が走るような感覚にAは、ぐっと息を呑む。生徒会室、突如襲われた妙な感覚にAは、ため息をついた。Aiが言うに、それはどうやらリンクセンスというものらしい。ネットワークの気配を感じる力、まぁ言うなれば電脳系の勘。そのリンクセンスを最近ガンガン感じる。それはもう、誤作動か?ってくらいに。この能力はAだけじゃなく、遊作も所持し、尚且つAIでもあるAiも感じ取ることが出来る。Aは生徒会室でカバンを持って立ち上がった。
「会長お帰りですか?」
「えぇ、今日は少し体調が優れないの。お暇させていただくわ」
「了解しました、お気をつけて。顧問の先生には私から言っておきますね」
ありがとう、礼を言って生徒会室を出た途端、彼女はその場を駆け抜ける。廊下、下駄箱、入口。早足気味に急ぐA。あぁ、最近はなんだかもの凄く嫌な予感がする。
いつもの街並みを抜けて、人通りの多い道路へと足を進めれば、彼女は顔面からなにかにぶつかった。
「んぶっ!」
「あ、すみませ…ってAか」
「痛たた…ちょ、何でこんなとこで立ち止まってんの遊作!」
「悪い」
ぶつかった何かを確認し、Aはそれを叱る。ぶつかった相手はよく知った顔の彼。遊作だった。赤くなった鼻をさすり、ぷんぷんと怒るA。人混みの中で立ち止まっていたらまた怪我をする。空いた片方の手で彼の手を引き、彼女は再度歩き出した。遊作はそれ以降、何かを口にすることは無く、考え事をしたままの彼女の手を握りしめる。
「……A」
「わかってる、ここ最近は何か……」
「あぁ、きっとリボルバーが動き出したんだ」
歩き出したネオン街。これから、恐ろしいことが起ころうとしている。
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遊真 - これから主人公がどうなっていくのかが凄く気になります!これからも頑張ってください! (2019年8月14日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
リナ - しゅりんぷさんの作品、早く読みたいです! (2019年8月6日 23時) (レス) id: cfdd277789 (このIDを非表示/違反報告)
篝月(プロフ) - 初めから読んだので、続きが凄く気になります! (2019年5月24日 23時) (レス) id: 7982b0814b (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - 白哉さん» コメントありがとうございます。ソウルバーナーいいですよね。いつか二人も出せるようにしたいなとは思っております。それまでどうかこの小説とお付き合い願えたら嬉しいです。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: a80e55b6ef (このIDを非表示/違反報告)
白哉 - できたら穂村尊とフレイム(ソウルバーナー)を出してほしいです。 (2019年1月20日 17時) (レス) id: 8418d83dca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅりんぷ | 作成日時:2017年12月13日 0時