【遊戯王VRAINS】空白アルビレオ３【藤木遊作】

妄想ブレイヴ ページ16

二人が和解してから数日。放課後の教室で遊作はクラスメイトの島に呼び止められ、その場で話を聞く。興奮気味に喋る島の話の内容は。

｢なぁ！このままただ傍観してるだけでいいと思うか！？Play makarやブルーエンジェル、それにPlay makarのパートナーの燕青だってハノイの騎士と戦ってる！｣

正義感の強い島は言う。このまま強い決闘者だけに任せるのは違う、もっと周りが協力してハノイの騎士を倒すべきだと。島の言うことは分からなくもない、だが遊作はその言葉を切り捨てる。正義感だけの人間がLINK VRAINSにノコノコと出てきて、ハノイの標的にされないわけが無い。

｢今デュエル部は休部状態だけど、ここは決闘者として俺達も…｣

｢やめた方がいい｣

｢何でだ！？｣

力説する島の言葉を止め、遊作は彼の目を見つめて答える。理由は三つある。一つ、除去プログラムのサイトができてアナザーは減ってる。二つ、今下手に関わっても火傷するだけだ。三つ、お前は怖がっている。そう言った遊作に図星なのか、大きく反応する島。それを追い込むように、遊作は言う。

｢だから、俺にも一緒に来いと誘いに来たんだろ？｣

｢ぬあっ！く〜…相談する相手間違えた！！｣


そう叫んで立ち去る島を背中が見えなくなるまで見送り、遊作は佇む。遊作なりの心配と気遣いだったが、そんなこと島が知るはずもない。Aiの軽口を辛辣に流す。そんな遊作と裏腹に、島はデュエル部の部室へと駆け込んだ。


『島直樹です！はっきり言ってデュエルに男のプライドかけてます！』

この場所で言い切った、あの日を思い出す。デュエル部に入部したあの日。あれから自分は結局変わっていない。部長に言われた通りの熱さと意気込みだけ。島はそれを一人、口にして落胆した。いざとなると怖気付いてしまう、そんな自分が嫌だった。

考え込む島の元、突如デュエルディスクに異変が起きる。

『新しいデータをダウンロードします』

｢えっ！？なんだよこれ！？ダウンロードした覚えなんてねぇ……｣

驚愕する島を他所にデータのダウンロードを始めるディスク。驚きながらも、送られてきたデータを確認すれば、そこには見知ったカードの詳細が映された。

｢うわっ！サイバースウィザードってPlay makarの…なんで？｣


サイバースとともにあれ、その言葉と一緒に送られてきたPMの文字。島は何かを考えずにはいられなかった。

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