検索窓
今日:13 hit、昨日:3 hit、合計:27,376 hit

ご機嫌なバディ ページ15

その日、キッチンカーにAと遊作が手を繋いで帰ってきたのを見て、草薙はほっと息をついた。Aは気まずそうな顔でごめんなさい、と草薙に告げると彼もまた、気にしていないと彼女の頭を撫でた。困ったように笑うA。結局あの写真のことは遊作には話していない。今、確信のない証拠と理論をぶちまけて、混乱を呼ぶのは避けたかった。それに、遊作もその事についてあまり気にしていなかったからだ。Aは久々の定位置へと腰掛ける。例え、過去のAに何があろうとも、今は自分のもの。誰にも渡さない。遊作もまた、その隣に腰を下ろした。

「あの日以来、財前葵とは会ったのか?」

「うん、すっきりした顔してたよ」


まるで全部吹っ切れたみたいに。


Aは笑って答える。様子を見るに、ブルーエンジェルとしての自分をしっかり見つけたようだった。自分の在り方、それを見つけるのは難題だとAは思う。自分という存在、それって何なんだろうか。何となく、そんな考えを頭の中で巡らせる。私を私と確定する何か、それって何を根拠に見つけるのだろう。

「……自身の在り方って、何なんだろうね」

「難しい質問だなA。それはブルーエンジェルが自分を見つけたからか?」

「八割そんなとこ。翔一さんは、自分が草薙翔一であることの証明、って出来る?」

「Aの言っていることは戸籍とか、そういうんじゃないんだろ?そうだなぁ…自分の証明かぁ……」

Aiが、そういう質問ならAIは楽だな。と答える。だって、AIは製作者がいる。つまり、彼を彼だと証明し、位置付けられる人間がいるのだから。Aiが珍しく余裕そうに答える。そういう理論なら、草薙も親や兄弟がいる。彼たちが彼であることを証明してくれることになる。なら、周りには誰もいない私は、どう見つければいいのだろうか。Aがほんの少しだけ、悲しそうに斜めを向いた。

「……俺が、証明する」

「遊作…?」

「Aが迷った時、俺があんたをAだと教えてやる。」


Aが何者だろうと、俺たちと行動を共にして、俺の隣にいたのはあんただと。


息が止まりそうな程、熱烈な言葉だった。Aは彼の言葉に微笑んで頷いた。

妄想ブレイヴ→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
設定タグ:遊戯王 , 遊戯王VRAINS , 藤木遊作   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

遊真 - これから主人公がどうなっていくのかが凄く気になります!これからも頑張ってください! (2019年8月14日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
リナ - しゅりんぷさんの作品、早く読みたいです! (2019年8月6日 23時) (レス) id: cfdd277789 (このIDを非表示/違反報告)
篝月(プロフ) - 初めから読んだので、続きが凄く気になります! (2019年5月24日 23時) (レス) id: 7982b0814b (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - 白哉さん» コメントありがとうございます。ソウルバーナーいいですよね。いつか二人も出せるようにしたいなとは思っております。それまでどうかこの小説とお付き合い願えたら嬉しいです。 (2019年4月1日 1時) (レス) id: a80e55b6ef (このIDを非表示/違反報告)
白哉 - できたら穂村尊とフレイム(ソウルバーナー)を出してほしいです。 (2019年1月20日 17時) (レス) id: 8418d83dca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しゅりんぷ | 作成日時:2017年12月13日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。