【遊戯王VRAINS】空白アルビレオ２【藤木遊作】

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大きな歓声が沸き起こるステージ前。色んな感情がAの中でぐるぐると周り、混乱から両手を口元でわなわなと震わす。平然そうな遊作を横に、パネル内ではPlay makarらしき人物がハノイとボードサーフィン対決をしている。

『LINK VRAINSに巣食う毒虫共。誰の挑戦でも受けてやる。かかってこい！』

遊作が言いそうにない言葉を次々と連発し、ハノイの騎士達を蹴落とすPlay makar。あわあわと焦るAに遊作が落ち着けと一言、肩に手を置く。偽物らしきPlay makarはDボードの扱いも上手く、前のように偽Play makarブームが起きた時の奴らとは桁違いに上手かった。Aでも手練なのは見て取れる。ハノイの騎士たちをすべて蹴落としたPlay makar。ハノイの吐き台詞がやけに負け犬らしかった。

『デュエルをするに値しないクズ共め。相手してやっただけでも有難いと思え！』

｢ひぇ…本物より口が悪い…｣

『全くだ。本物のPlay makar様も中々の口の悪さだが、こっちはさらに悪い！』

｢ミュートにされたいか、Ai｣

『申し訳ございませんでした！！』

遊作の口の悪さは昔からだから治んないんだよAi…、私が出会った時は既に毒舌だった。…うそ、小さい頃の遊作は可愛かった。Aが心の中でごちっている時、Play makarの前にドクターゲノムが現れる。Aはゲノムの姿に怯えからか、少し体が震える。そんな彼女に遊作は寄り添った。

『一体貴様は何が言いたいんだ』

『君のそのプログラムに見覚えがあります、GO鬼塚！』

先程の熱気はどこへ行ったと言わんばかりに観客が静まり、熱気が止まる。ざわざわ、ひそひそとまるで噂話をするかのようにパネル前はGO鬼塚という言葉に踊らされている。

『あいつ久々の登場で張り切ってるな』

｢本当に…ってAiちゃんメタい｣

『お前らいい加減黙れ』

キッチンカー内の三人が黙る中、GO鬼塚は正体を表し、ステージは実況により再び盛り上がる。君島まことを助けに来た趣旨を説明するGO鬼塚と煽るドクターゲノム。そんなふたりの中で、遊作たちの感情を揺さぶる言葉を彼が口にした。

『俺は、Play makarの正体を突き止めた』

どくん、と高鳴る胸に三人の息が止まる。まるで時が止まったような感覚で、Aは焦りを露わにする。ちらりと見た横。

ポーカーフェイスの彼がほんの少し、俯きながら表情を崩した。

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