【遊戯王VRAINS】空白アルビレオ２【藤木遊作】

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ヒラヒラと揺れるチャイナ服の裾と、その下の白いズボンに目をやれば、自分が自分じゃない姿へと変わることが出来たことを理解する。隣のPlay makerは既に準備万端だという表情で、そこに佇んでいた。

『受け取れ、二人共！』

草薙がデータから取り出したスクーターをふたりが手にし、奥を目指して進んでいく。燕青の服の裾がひらひらと金魚のように揺れた。

真っ直ぐと進み、草薙の指示に二人が従いながらデータやトラップを避けていく。二人に繋がれている尻尾のようなものは、ジャミング波を使った一種の妨害電波のようなものらしい。相変わらずの草薙さんの腕と気の利きように、燕青は流石だと感心した。二人はゆっくり確実に進路を進めていく。

『っ、そいつに当たると消滅するぞ！』

｢セキュリティトラップか！｣

｢やっぱり、そう簡単には進ませてくれないよね…！｣

二人が草薙の声に耳を傾け、トラップを交わしながら前へと進む。厄介なそれは一つや二つではなく、避けていくにも限界が訪れるだろう二人に、草薙がクリボールのデコイをセットする。遊作がそれを使えば、クリボールが二人を守るようにトラップと一緒に消えていった。

『次の脇道に入って、すぐの角を右だ』

だんだんと増えていくトラップに、二人は一体一体デコイを消費していく。クリボールが使えるのは3回まで、絶望的な状況で二人が最後の一体まで使い切り、エリアAを突っ切るところまで来れば、データストームがふたりを迎え入れた。

｢ちっ、厄介な…｣

｢ここを通るのか｣

二人がそれの前に立ち止まる、草薙はここを抜ける判断を危険すぎると渋っているようで、指示が止まった。データストームという予想外の展開に、三人は選択を迫られる。しかしここで止まる訳には…。立ち止まった二人が、何かを察して振り向くと先ほどのトラップがデータストームの中から姿を現した。二人はそれを防ぐ術を持っていない。グルグルとPlay makerと燕青の尻尾を切り、それに二人は動揺が隠せない。草薙の逃げろ！という、叫び声より先に二人がデータストームの渦へと巻き込まれていった。

｢っ、Play maker！｣

燕青が彼に手を伸ばす、彼がその手を取り、データストームに取られていた体を起こし、Dボードへと乗り移る。燕青もまた、同じようにデータストームの波に乗るよう、Dボードへと乗り移った。

完全に気づかれた、焦りと不安で燕青の感情が大きく揺らいだ。

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