降谷さんのKnight 5

啄木鳥3 ページ35

その後なんやかんやあって、由衣刑事たちに川中島を案内してもらうことになりました。

うん。由衣刑事が大和警部の影響で、歴史に詳しくなったことが分かったな…。

山本勘助の名所巡りって、コナンくん絶対由衣刑事の反応見て面白がってるし…。

それに諸伏警部は、途中から大和警部に喧嘩売ってるし…。

まあでも、山本勘助の名所巡りでも楽しいからいいけどね。

「最後に、千曲川を見て終わりにしましょうか。」と由衣刑事が言って、私たちは歩き出した。

千曲川と言えば、その支流が三日三晩血で赤く染まったっていう言い伝えがあったな。

ていうか今思い出したけど、この話ってラム候補の人出てくるよね…。

「雪見さんは何が好きですか？」諸伏警部はそう言って、私を見る。

なんの話か全然聞いてなかった…。

「好きな麺類の話ですよ。」と透さんが助け舟を出してくれる。

「ああ。信州なので蕎麦…って言いたいところですが、やっぱりラーメンですかね。」

私が苦笑しながらそう言うと、みんなは意外そうな顔をした。なんで？

「雪見さんって、ラーメンとか食べるんですね。なんか意外です。」

蘭ちゃん、私を一体どんな目で見てるの…。

実年齢は19だけど、中身はもう二十代半ばぐらいだから。

そろそろ周りが結婚し始めちゃう。とか考えそうな感じだから。

なんて…こんなこと口が裂けても言えないけどね…。

「うん。雪見お姉さんって、頭いいしお金持ちだしね。」

コナンくんも蘭ちゃんに合わせるように頷いた。

お金と学力関係ないよね？ていうか…コナンくんに言われたくないんだけど…。

「頭いいって言えば、高明は東都大の法学部だったよな？」と大和警部は言った。

わお。先輩だ！！！知ってたけどね。

「雪見さんも東都大でしたよね？」と透さんは私に聞く。

「はい。まあ、教育学部ですけどね。」と私は答えた。

「高明の後輩って…なんかドンマイ。」大和警部はそう言う。なんの同情？


そんなこんなで千曲川に着いた。

とても綺麗な川だけど、なんかカラスが多いな。

「骨を積み、血を流しし武士面影浮かぶ、赤川の水。」

諸伏警部の声とともに、カラスが飛び立つ。

三日三晩血で川の色が染まるなんて、想像したくもない。

「三日三晩も、血で川が染まるわけが…。」

諸伏警部の話を聞いた大和警部はそこで言葉を切ると、川をジッと見つめた。

川が…赤黒く染まっている。そこで私の意識を途絶えた。

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