抵抗２ ページ17
「はぁはぁ。」と私が肩で息をしていると、雨が降って来た。
「雪見！？どうしたんだいこんなところで？」と言う声が聞こえて顔を上げると、
傘をさした透さんが立っている。
「と、透さん…。」と言って、私はその場に立ち尽くした。
知らない男性にキスをされた罪悪感から、私は言葉が出てこない。
「ごめんなさい！！」と私は透さんに言って、また走り出した。
「え？雪見！？」と透さんが言う声が聞こえたけど、
私は透さんから逃げるようにスピードを上げる。
透さんはしばらく呆然としていたみたいだけど、
「待ってくれ！理由を聞かせて！」と透さんは言いながら、私を追いかけた。
今ここで捕まるわけにはいかない。私はそう思って、走り続ける。
すると目の前に、さっきの男性が現れた。
「ここにいたのか、白石 雪見。」と言って、近づいてくる。
「来ないで！」と私は言って、曲がり角を曲がった。
後ろで透さんとさっきの男性が何か話している声が聞こえて、
透さんはすぐに私の方に向かってくる。体が熱くて苦しい。でも走らなきゃ。
しかし、私はすぐに透さんに捕まってしまった。
「嫌です。離してください。ごめんなさい。」と私は泣きながら言う。
熱のせいで頭が回らず何が何だか分からない。
「雪見。落ち着いて。何で逃げたか教えて。」と透さんは私に聞いた。
「ごめんなさい。私が悪いんです。」と私は言って、逃げた理由を話す。
「もう少し危機感を持ってくれ。」と透さんは言った。
「それくらい分かってますよ。」と私が言えば、
「いや、分かってない。」と透さんは厳しい口調で言う。
「何で分かってないなんて言えるんですか？」
「透さんだって何も分かってないじゃないですか！！」
私はわけもなく喧嘩ごしで言ってしまった。
「え？雪見？」と驚いた顔をする透さんに、私はハッとなる。
「っ！ごめんなさい。」と私が謝ると、
透さんは冷たい表情で「ああそうだな。雪見の気持ちは分からないよ。」
でも…と透さんが何かを言おうとしているのも聞かず、
「ごめんなさい。もういいです。」私はそう言って、また走り出した。
雨に混じって涙が溢れる。どうしてあんなこと言っちゃったんだろう。
体が熱いし足も重いけど、今は走っていたかった。
もう無理かも…そう思った瞬間に、私はその場で倒れた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 258人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「安室透」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青龍 葵(プロフ) - 更新されないんでしょうか？ (2020年8月6日 16時) (
レス) id: 123a0a7152 (このIDを非表示/違反報告)
しらす。(プロフ) - 桜@ボードには低浮上さん» 大丈夫ですよ、リクエストありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2018年7月12日 23時) (レス) id: e1e7e066eb (このIDを非表示/違反報告)
桜@ボードには低浮上(プロフ) - リクエストしても大丈夫ですか？松田さんたちの話しも楽しみにまってます。 (2018年7月12日 17時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)
しらす。(プロフ) - 桜@ボードには低浮上さん» そう言っていただけて嬉しいです！確かにツートップですね笑相変わらず更新は遅くなりますが、頑張ります！！ (2018年6月10日 22時) (レス) id: e1e7e066eb (このIDを非表示/違反報告)
桜@ボードには低浮上(プロフ) - 凄く面白かった！！降谷さんと伊達さんのツートップでそれも犯人を倒してしまうのは凄いです。最新頑張って下さい。 (2018年6月10日 20時) (レス) id: ae3d71bb82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらす。 | 作成日時：2017年7月31日 9時
