三話 ページ3
ユーシェンは少し残念そうな顔をしつつも直ぐに切りかえ、こちらに向き直った。
「さて、遅くなってしまったが本題に入る。ファンクビート先生、君のところでこの子を預かってやれないかな?」
一時置いて、間を置いて。
「断る」
その一言を言って茶に手を伸ばす…、が熱くて飲めたものでは無いらしい。すぐにその手を戻してしまった。
ユーシェンはだろうな、といった感じにため息をして、椅子の陰から何かを取りだした。
彼女が取り出したのは何かの箱らしく、表面にはでかでかと参什壱番街アイスクリンと書いてある。
その文字にファンクビートは既に釘付けである。しかし、釘付けであるからといってそれ以上は無い。
ユーシェンはそんなファンクビートの様子を予想通りと言いたげな表情をして、再び椅子の影から物を取り出した。
……。
………参什壱番街アイスクリンだ。
「なっ」
「どうだい?これでもまだやらないと言うかな?」
ファンクビートの目には既にアイスクリンしか映っていない。この状態。既に返事は決められていたと言っても過言ではないだろうか。
「…やる」
「ホントにアンタはアイスに弱いな…」
キィは呆れ気味に横ですぐにアイスクリンの箱を開け、中身をキラキラと輝く目で見ているファンクビートを見た。
少女はそんな彼らの様子を不思議そうに眺めていた。
すると、そんな様子を見ていたキィと目が合ってしまい、慌てて目を逸らした。
「それにしてもここまでしてこの子をファンクビートに預からせたいんですか?ユーシェンさん」
彼が不思議に思うのもおかしくは無いだろう。事実、そう頼んだ彼女本人すら自分を不思議に思っているのだから。
「まあ、細かいことは良いじゃないか。きっと面白くなるよ」
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admin(プロフ) - 凄く良かったです!次回も楽し見にしています (2021年7月14日 1時) (レス) id: 1546f22afd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えれくん | 作成日時:2021年1月4日 20時