遠くの街としあわせと・・４(ＪＵMＰｘＪＵMＰ)街シリーズ(４)

＝どきどき・５＝ ページ6

「今は大丈夫だよ、侑李ちゃん。」


「ほぅー。」って侑李はあんしんしてー

「あ、そっか。それでハンカチで
　おケガしたトコおさえたの？」


「そー、だから血が付いちゃったんだー。
　でもさーそのハンカチ・・オレのじゃなくて
　通りすがりの人に貰ったんだけどー。」


「もらった〜？」


「そぅ。『大丈夫、コレ使って。』って＿＿＿。
　それで、すぐ居なくなっちゃって・・。
　お礼も言えずでさー。はぁ〜〜。」


「・・健ちゃん・せんせぃ・・。
　んと・・どんな人なの？その人・・？？」


「ん〜〜。５,６０代でービシッとスーツ着た
　カッコイイおじ様で・・。とにかくすっごく
　眼力が強い。」




・・・侑李ね、んーって。あれ〜〜って、思うの。

だって、だってね、ぐれーのハンカチ見たことあるのよ。

「健ちゃん先生、ハンカチひろげてもいーい？」



「いいよ〜。」



侑李はね、ふわっとハンカチひろげるの。

そしてねー

「ねぇねぇ、圭人。これなんて書いてある〜？」



ひょいっとのぞいた圭人に聞くの。

「ああ。侑李ちゃん・・それは＿＿＿。」

って、圭人が言おうとしたらー



健ちゃん先生がね

「えっ。何々、イニシャル刺繍してあった？
　ああ、オレ広げて見てなかったっ。
　ナイスっ。侑李ちゃんっっ！！
　何、名前見せてっっ！！」




細くてーおリボンみたいなキレイな文字を

健ちゃん先生は大切に読んだのー。

「“Ｊunichi，Ｉ”・・Ｉ？アイって何だ？
　いのうえ？いちかわ？いのまた？いがらし？」

健ちゃん先生は、うーん。うーん。って考えちゅうー。



しゃがんで、きゅーってちびっちゃくなってー

考えてるのー。



侑李は、健ちゃん先生の肩をぽんぽんしてねー

「やっぱしー、そーだっ。
　朝、侑李の涙ふいてくれたハンカチなの。
　そのぐれーのハンカチー。」



「へぇ？！何？何言ってるの？侑李ちゃん・・？？」



侑李は、健ちゃん先生の両肩ガシってもってー

「健ちゃん先生、おちついて聞いてね。」


「あ・・ぅ、うん。」


「そのハンカチのもちぬしはー。」


「も、持ち主は・・？」



「んっとー、侑李のじぃじなのっっ。」

って、侑李にっこし言ったの。



そしたらー

健ちゃん先生のお時間がー

ぴった―――――んってとまるのー。




そのあとー、健ちゃん先生は・・

わなわなしてね、それから

すぅーっと息をすってー


「えぇぇぇえぇぇ〜〜〜〜っっ！！！」って。

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