遠くの街としあわせと・・４(ＪＵMＰｘＪＵMＰ)街シリーズ(４)

＝どきどき・２１＝ ページ22

「ありがとー・・侑李ちゃん。
　・・でも、もういいんだ。だって＿＿＿
　だって何だか、住む世界が違いすぎて・・。」



しょんぼりしてる健ちゃん先生のホッペ

侑李ね、むにーってもつの。


「ちょー・・いたひよ〜。侑李ひゃーん。」


「健ちゃん先生、あきらめちゃだめっ。
　まだ、はじまってもいない恋でしょぅ。」



健ちゃん先生は、侑李をじーっと見て

クスッと笑って＿＿＿

でもね、かなしい目でね

ポロリと涙ひとつぶ・・こぼしたの。



侑李は、ぱって手を離して

お顔を覗きこんで言うの。

「健ちゃん先生、ごめんね。
　ほっぺ・・いたかった？ごめんねぇ。」



「んーん。違う、違うよ。ふふふ。
　ありがとう、侑李ちゃん。」


健ちゃん先生は、侑李の頭ぽんぽんしてから

「ふぅー。」ってため息ついて

「７歳の子に、恋について慰めてもらうなんて
　・・情けない大人だなぁ・・オレ。」



「健ちゃん先生っ。
　恋に年齢はかんけーないのよっ。
　んふふ。侑李だってー、どきどきして
　恋、してるのよ。」


「んふふ。そっか、そーだね。
　侑李ちゃん、恋してるんだ？」


「ん。」


「ふふふ。素敵だね。
　・・本当にありがとう、侑李ちゃん。」



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



侑李、ぜったーい健ちゃん先生とじぃじの

きゅーぴっどになりたいのー。

がんばるぞー。



さてさてー。


パタパタはやあるきで、保健室から教室にもどって

「おまたせぇ〜〜。大ちゃん、圭人〜。」


「おぅっ、侑李。」


「あ、侑李ちゃんおかえりー。
　ふふ、息切らして大丈夫？」


「ん。へーき、ありがとー圭人。」


「はい、侑李ちゃん。ランドセル。」


「うん、圭人。ありがとう〜。」


「あっ、侑李ちゃん。
　あと上履き入れ。」



「あ、そーだ。
　もって帰って、ごしごししよーっと。」

ロッカーのトコから、うさぎさんのピンクの

うわばき入れを出してー。

よしっ。さ〜て帰りましょ〜〜〜♪




お教室を出ながら大ちゃんに

「あれ？大ちゃん。」



「ん〜。なんだ〜。」


「大ちゃんは、うわばきもって帰らないの？」


「いいよ、別にー。
　へーき。へーき。」


「ほんとぅ〜？
　涼介まま、ぷんぷんしない？」


「しない、しない。」

大ちゃんはそー言って、ぴょんぴょん元気にあるくのー。




ん〜〜。へいきかしら〜？

「だいじょうぶかなぁ〜・・。」

侑李、ぽしょりとつぶやいたのー。

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