遠くの街としあわせと‥１(ＪUMPｘＪＵＭＰ) 街シリーズ(１) (ページ45)

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“おまけの中島家”＝想う・１＝　～涼介サイド～ページ45

３階の大貴の部屋で

オレは、ぐぅぐぅ眠る大貴を見つめて

大貴の寝相の悪さを

小さく笑いながら

体勢を直し掛け布団を掛け直して

「ふふ・・。」って笑って

頬を撫で「大貴、おやすみ・・。」

と囁いて、部屋を出た＿＿＿＿＿＿＿。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

トントンっと、地下へ続く階段を降りて

裕翔の書斎と暗室があるドアの前に立って・・

あんまり入った事のない書斎に

少し躊躇ってから・・ドアをノックした。

＿＿＿＿コンコン。

部屋の中から、裕翔の「はい＿＿。」の声に

そーっと、ドアを開けて顔を覗かせ

「裕翔・・？」

「ああ、涼介。」

書斎の奥の、机の近くに居る裕翔に

手招きをされ、そーっと部屋に入って

・・・キョロキョロ・・。

裕翔が、小さく笑いながら

「大貴は、もう寝たの？」

「うん。ぐぅぐぅ寝てたよ、
　ガバーってお腹出して、大胆にっ。」

そー言いながらオレは部屋が物珍しくって

・・キョロキョロ・・。

オレはため息と一緒に

「はぁ――。しかし・・すごい・・。
　大貴が言った通り・・オレの写真多いな・・。」

「そーかな。」

「・・つーか、いつ撮ったの、コレ？
　・・と、ゆーか何、このでっかいポスター
　みたいなオレの写真・・・。ねぇ、コレ
　コレ、いつの横顔？？」

「ふふ。俺さ、涼介の横顔好きなんだよね。
　だから、今までに・・たっくさん撮ってるんだ。
　で、このバカデカイ写真が一番気に入ってて・・
　ん～一昨年の１月かな。」

「・・ホント、家庭内ストーカーだっ。」

「ふふふ・・。
　言い得て妙だな、それ。」

「ん～～～。しかし・・すごいなぁ。
　何処も彼処も、大中小のオレ、オレ、オレ・・
　オレの写真・・。なぁ、裕翔＿＿＿？」

「何・・涼介・・。」

オレは真っ直ぐ裕翔を見つめて

甘く響く様に・・

「実物のオレと・・
　写真のオレと、どっちがいいの？裕翔は・・。」

そう囁きながら

オレは裕翔に近付いて二の腕を撫で

ジッと見つめる。

裕翔は、グッと息を呑んで

「そ、そんなの
　実物に決まってるよ・・涼介。」

オレは手を伸ばして

裕翔の頬を撫でながら

「んふふ・・よかった・・。
　ね、裕翔・・？」

裕翔も手を伸ばして

オレの頬に触れ

「何・・涼介・・。」

甘く＿＿甘く響く様に・・

「ゆうと・・キス・・して＿＿＿＿＿＿？」