遠くの街としあわせと‥１(ＪUMPｘＪＵＭＰ) 街シリーズ(１)

中島家『あいのしずく。』＝太陽・１＝　〜涼介サイド〜 ページ33

小さな、小さな、命が

オレのお腹の中から

消えていなくなってしまった。



例えようのない悲しみと

粉々になった心と涙と

ギュッと握った、母子手帳と。




しあわせってなんだろう？って気持ちと

自分に対する、強い怒りと＿＿＿＿＿＿。





自分に掴みかかって・・殴って

殴って・・スッキリするなら・・・。




何度も何度も、泣いて泣いて

何度も何度も、謝って謝って


お腹にいた・・あの子に


可愛くて小さな、あの子に＿＿＿＿＿。







裕翔・・裕翔ごめん。ごめんなさい。

裕翔とオレの、大切な大切な・・命が・・





裕翔がオレを

何度も何度も、抱き締めてくれた

何度も何度も、涙を拭ってくれた





裕翔とたくさん、たくさん、乗り越えた。



苦しくて、苦しくて、苦しくて

悲しくて、悲しくて、悲しくて







たくさんの、たくさんの、

たくさんの涙を越えて


粉々になった心と涙を拾い集めて

しわしわになってしまったあの子の

母子手帳を手のひらで

泣きながら笑顔で・・皺を伸ばして


乗り越えた分だけ、喜びが・・また＿＿＿＿＿＿＿＿。






オレのお腹に宿った

小さな小さな可愛い命。





あの子も一緒に

たくさん、たくさん２人分。



大切に、大切に、裕翔と２人で

赤ちゃん２人分、愛していくから＿＿＿＿＿＿。






暗闇の中を彷徨(さまよ)っていた

オレと裕翔を照らしてくれた

明るい、明るい、眩しい光り。





オレと裕翔の、愛しい希望、

＿＿＿＿＿＿大貴＿＿＿＿＿＿＿





大貴は、我が家の太陽だ。

大貴が笑っている

明るく、輝いている



一筋の、眩しい光りだ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。

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