遠くの街としあわせと‥１(ＪUMPｘＪＵＭＰ) 街シリーズ(１) (ページ18)

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薮家　『愛があふれる。』＝3人で・１＝　～圭人さいど～ページ18

海から少しはなれた、黄色い屋根の２階建ての一軒家。

１階は、黄緑色のドアが目印の

おいしい、おいしい洋食レストラン『ＪＵＭＰ』。

そこのコック長は、

テキパキしっかり者の魔法みたいに

おいしいお料理を作る、僕のお母さんの光。

ホールにいるのは、

黒いギャルソンエプロンがとぉ～ても似合う、

ニコニコ笑顔の、僕のお父さんの宏太。

僕、圭人は・・

いつも２人が働いているところ

厨房の奥の家の入り口から座ってじっと見てるんだ。

あっ、でも。お手伝いもするんだよ

だって、もう小学１年生だもんっ。

僕だって、できるよっ。

お料理は運べなくても、

おしぼりとお水を運んでお手伝い。

あっ、サラダも運べるよっ。ふふ。

「おーい、圭人。
　２番テーブルさんに水とおしぼり３つ
　持ってってー。」

って、ホールからお父さんの声。

僕はパッと立って

「は――い。」っていい返事。

厨房のカウンターで

お水とおしぼりを用意しておぼんに乗せて

「えっと・・２番テーブルさん・・っと・・」

スタスタと歩いて僕は

ピタッと２番テーブルの前で止まり

ニッコリ笑って言うんだよ。

「いらっしゃいませ。
　どーぞ、お水とおしぼりです。
　おしぼり、お熱いのでお気をつけ下さいね。」

そう言うと、女性のお客さんはニコニコして

嬉しそうにしてくれる。

男性のお客さんも、褒めてくれるんだよ。

だから僕はね、

「ご注文お決まりになりましたら
　お声掛け下さいね。」

って言うんだ。・・うふふ。

そー言って僕、お父さんのマネしてるんだよ。

僕も、ホントは・・お父さんみたいな

黒のカッコイイエプロンしてやりたいんだぁ。

いいなぁ～。

僕は、お父さんみたいに大きくなって

カッコイイエプロンをして働くの夢なんだ～。

ふふ、となりには・・お母さんみたいな

大切な人・・いるといいなぁ。

てへへ。