遠くの街としあわせと‥１(ＪUMPｘＪＵＭＰ) 街シリーズ(１)

＝いらっしゃい・５＝　〜雄也サイド〜 ページ6

店の奥の居住スペースにつながったドアが

カチャリと開いて、慧がそろそろとお盆を持って

カウンターに近付き


「・・はい、雄也さん。
　カップケーキとアイスティー
　おやつに、どーぞ。」


「ああ、サンキュー。
　・・ん？慧の分は・・？」


「え・・あ、そっか、
　ココに持って来て一緒に
　食べればよかったんだぁ。」


「ふふ。・・ちょっと慧、
　カウンターの中の椅子座って。
　ほら、となり。」



俺はカウンター内の椅子にドカッと座って

となりの椅子をポンポンと叩く。



「ぅん・・。」と、言って

慧は、椅子にちょこんと座って

俺の顔を覗き込んで、嬉しそうに


「なぁーに、雄也さん」



「・・なぁ、カップケーキ・・
　慧が俺に、食わせて？」


「え・・？」


「ほら、あ――ん。」


「んふふ・・。雄也さんは
　侑李がいないと・・甘えん坊さんだね。」


そう柔らかく囁いて

そっと、細い綺麗な指でカップケーキを

持ち上げて、カップケーキを一口ちぎって


「はい、雄也さん・・あーん。」



俺は、パクッと食べながら

ペロリと慧の指を舐める。



「んっ・・。や、やだぁ・・
　雄也さん・・今・・ゆびぃ・・。」


「ふふ。・・美味いね。
　カップケーキも、慧の甘い指も。」


「もぅ・・。
　２階に、子供達居るのにぃ・・。」



慧は、拗ねた様に囁いて

そろりと椅子から立って

カウンターの奥のスッタフルームの

ドアをそっと開けて入り

俺を、綺麗な手で手招きした。



「雄也さん・・ちょっと、来て・・？」

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